カサカサしたり、ニキビができたり、気になる「肌荒れ」。肌荒れを起こしてしまう要因には、肌のバリア機能の低下があるそうです。どうしたら肌のバリア機能を正常に保ち、肌荒れを防げるのでしょうか。日常生活で心がけることと、肌荒れのケア用品を選ぶ際のポイントを紹介します。
■肌荒れはお肌のバリア機能の低下が原因?
◇肌のバリア機能とは?
私たちの身体の表面を覆う肌、その一番外側にあり、外界と接している角層に「バリア機能」が備わっています。これは文字通り、バリアとなって外側の異物や刺激から身体を守り、逆に体内から水分が蒸散するのを防ぐというものです。
肌荒れのおもな原因のひとつは、このバリア機能の低下です。
◇肌のバリア機能が低下する要因
日常生活のちょっとしたことや、間違ったスキンケアでバリア機能は低下してしまいます。
特に気をつけたいのが、洗いすぎ。肌を清潔に保つことは必要ですが、ゴシゴシこすったり、何度も洗ったりすることでバリア機能を低下させてしまいます。
ほかにも次のようなことで、肌のバリア機能は低下してしまいます。
①乾燥……肌に合わない化粧水、エアコン、乾燥した外気、熱いお湯での洗顔
②外的刺激……こする、叩くなど間違ったスキンケア、かゆみで肌を掻く
③生活習慣……ストレス、睡眠不足、栄養の偏り
④ホルモンバランス……生理(前)、妊娠など
◇肌のバリア機能低下が引き起こす肌トラブル
バリア機能が低下すると、肌の表面は乾燥し、鱗屑(りんせつ)や亀裂でざらついたドライスキンになります。
ドライスキンになった皮膚は、外からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなります。肌を掻いて炎症が起こり、さらにかゆみが悪化してしまいかねません。
また、異物やウイルス・細菌などが侵入しやすくなり、湿疹やじんましん、皮膚疾患などにかかりやすくなります。
■肌荒れが気になるときは保湿と紫外線対策に注目
肌荒れを起こしているときは、刺激から守るために「保湿」と「紫外線対策」を心がけましょう。
◇保湿ケア
肌を刺激から守り、バリア機能を正常に戻すためには、きちんと保湿することが大切です。保湿することで角層の水分量が保たれ、皮脂膜の機能が回復します。
・洗顔
洗顔は特に気をつけたいところ。顔を洗う回数が多すぎると、肌に刺激を与え、必要な保湿成分を奪ってしまいます。洗顔は1日2回、朝と夜だけにしておくと良いでしょう。
また洗い方もできるだけやさしくして、洗顔料をたっぷりと泡立てて泡をクッションにして洗い、すみずみまでていねいに流します。
・スキンケア
入浴や洗顔のあと、肌の水分はどんどん減少して乾燥しやすい状態になっています。そのため、顔を洗い終わったら清潔なタオルで水気を拭き取り、できるだけ早めにスキンケア化粧品で保湿し、水分をキープしましょう。
◇紫外線対策
紫外線はお肌の大敵です。シミやソバカスの原因になるだけでなく、肌のハリを保つ弾力繊維を破壊し、シワやたるみを作り出す「光老化」が起こってしまいます。
・しっかり対策
季節を問わず、屋外に出るときは、帽子、日傘、日焼け止めなどで紫外線から肌を守りましょう。
・日焼け止め
日焼け止めの効果を表す値は紫外線B波(UV-B)を防ぐ「SPF」と紫外線A波(UV-A)を防ぐ「PA」があります。
通勤や買い物、散歩など日常生活にはSPF20~30・PA++程度、いつもより日差しを浴びるアウトドアレジャーではSPF40~50・PA+++以上のものがいいでしょう。
バリア機能が低下しているときは、低刺激で石けんなどでも簡単に洗い流せる日焼け止めがおすすめです。
◇生活習慣
睡眠の時間や質、食事の栄養バランスなども肌の健康に影響します。ぐっすり眠って成長ホルモンの分泌をうながし、同時にバランスの良い食事を摂取することを日頃から心がけましょう。
■肌荒れが気になるときのスキンケア用品選びのポイント
肌荒れが気になるとき、どんなスキンケア用品を選んだらいいのでしょうか。選び方のポイントを紹介します。
◇なるべく低刺激のものを選ぶ
肌荒れした肌は、刺激に弱いため「低刺激」「敏感肌用」などのスキンケア用品を選びましょう。
◇高保湿成分のものを選ぶ
肌のバリア機能を高めるスキンケアを心がけることが大切です。
乾燥のためバリア機能が低下し、外からの刺激に負けている状態になっているので、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどといった高保湿成分で肌にやさしく潤いを補うようにしましょう。
-
できれば避けたい成分
・香料・殺菌剤・防腐剤・合成着色料
・アルコール(表示名称:エタノール)
・石油系合成界面活性剤
・紫外線吸収剤
大人ニキビができるタイプの肌荒れならば、ビタミンC誘導体、グリチルリチン酸…といった大人ニキビに有効な成分は要チェック。ニキビができにくい「ノンコメドジェニック製品」を選ぶのもポイントです。
◇オーガニック=絶対安全ではない
ナチュラルなイメージから「肌にやさしい」「安全」と思われがちなオーガニックコスメですが、日本では今のところオーガニックコスメの認定基準がありません。オーガニックの定義はメーカーによって違い、必ずしも「安全」とは限りません。オーガニック化粧品を選ぶときはイメージに流されず、一般の化粧品を選ぶ場合と変わらない注意を払いましょう。
◇難しいときは専門家に相談
スキンケア用品選びに困ったら、化粧品売り場で肌の状態をチェックしてもらい、自分の肌に合ったものをおすすめしてもらうのも良い方法です。
もしも肌荒れが悪化してしまい、強いかゆみや痛みがあるときは、自己判断は禁物です。無理せずに皮膚科を受診し、治療しましょう。
■まとめ
つらい肌荒れの悪化を防いだり、予防したりするのは、日々のこまめなお手入れです。自分にぴったりのスキンケア用品を選んで、健やかな肌美人を目指しましょう。