久しぶりに撮ったアップの写真や、鏡を上から見下ろしたときなどに、肌が予想以上にたるんでいるのを発見してショックを受けるなど……。
「もうアラフォーだし、仕方ないよね」と自分を慰めてはみるものの、できることなら少しでも肌のたるみを改善したいものですね。
ここでは、肌がたるむ原因と対策としてのスキンケアと合わせて、顔のストレッチやマッサージなどのケア方法についてもご紹介しています。若々しさを保つため、前向きな気持ちで取り組むきっかけになれば嬉しいです!
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■肌のたるみが起こるのはなぜ?
そもそも、肌のたるみが起こる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
◇たるみの原因は加齢だけではない
肌にたるみができてしまう大きな原因として、顔周りにある筋肉の衰えなどにより、肌が重力に引っ張られて垂れ下がってしまうことや、皮膚の基盤となっている真皮の劣化などがあります。
筋力の低下は顔だけでなく、何のケアもしなければ、どの筋肉も加齢とともに弱まっていきます。真皮の劣化も肌からハリを失わせ、たるみの原因となるのです。
若い頃より肌がたるむのはある程度仕方のないことですが、同じ年齢の人でもたるみが少なく、若々しさを保っている人がいるのも事実ですよね。肌がたるむ原因は、加齢以外にもいくつか考えられます。
◇タバコやお酒もたるみの原因になりやすい
生活習慣の中で、タバコやお酒を多く摂取している人は、肌の老化が加速しやすくなります。過度なお酒は、肌が再生するために必要な細胞のはたらきを邪魔する「活性酸素」が体内に増える原因に。
また、タバコにもお肌に有害な物質が含まれており、ダメージを負った肌の治癒力を妨げてしまいます。
◇紫外線やストレス、睡眠不足にも要注意!
紫外線を肌に浴びることは、真皮へのダメージを増やしてたるみにつながるだけでなく、シミやシワ、その他の肌トラブルを作る原因になってしまいます。
仕事上のストレスや、ハードなスケジュールが連日続くような場合にも、お肌への影響が考えられます。特に良質な睡眠が取れていない、睡眠時間が不足しているような場合は、ダメージを受けたお肌の修復を妨げるもととなりがちです。
このほかにも、エアコンの効いた室内や乾燥している地域などでも、肌をみずみずしく保つためのケアが必要となります。
こういった理由が重なり、ダメージが蓄積することで、肌のたるみが進行してしまうのです。
■肌のたるみに効果的なスキンケア方法
肌のたるみは、1度できてしまうとセルフケアで元へ戻すのは難しいものですが、これ以上たるまないように食い止め、お肌の修復をたすけることで、ハリやツヤのあるお肌へとみちびくことは可能です。
まずは、たるみが気になる場合に試したいスキンケアについて見てみましょう。
◇基本のお手入れをこまめに
みずみずしくハリのある肌を保ち、くすみやシワを目立たなくすることで、たるみを大きくカバーすることができます。まずは洗顔や保湿など、毎日の基本的なお手入れをこまめに行うようにしてみましょう。
紫外線対策として、SPFの高いスキンケア商品を使ったり、乾燥している室内では保湿用のスプレー型化粧水を携帯したりするのもおすすめ。
外出から帰ったあとは丁寧にクレンジングをして、肌へのダメージを残さないようにしましょう。
◇強く擦らず、優しくなじませる
「毎日のお手入れを丁寧に」と意識し過ぎるあまりに、肌を強く擦ったり、引っ張ったりするのはNG!赤みや傷の原因を作らないためにも、洗顔や保湿はゆっくりと、時間をかけて優しくなじませるようにしましょう。
◇抗酸化作用成分のあるスキンケア商品を選ぶ
スキンケアに使用する商品はとても多く、市販のものから選ぶのは大変かもしれませんが、値段に関係なく、自分に合ったものを選ぶことが大切です。最近は、エイジングケア対策用の商品も種類が豊富ですよね。
さらに、たるみ対策を重視するなら、細胞の活性をたすける抗酸化作用のある成分が含まれているスキンケア商品をセレクト。フラーレンやアスタキサンチンなどのほか、肌のハリを保つ作用のあるエラスチンやビタミンE配合のものがおすすめです。
◇生活習慣の改善も大切
肌に直接ケアする以外に、食生活や姿勢といった生活習慣の改善も大切です。
紫外線を避けるために、初夏ごろから帽子やサングラスを着用する、下向きでのスマホ操作を控える、姿勢をまっすぐに保つ、適度な運動で代謝を上げるといった習慣づけも有効ですよ。
また、食事には野菜やフルーツ、良質なたんぱく質を意識して摂り入れ、体の中から肌づくりをする意識を持てば、徐々にふっくらとしたハリのある肌へと近づいていくでしょう。
■肌のたるみに効果的な顔のストレッチ・マッサージ
スキンケアと生活改善にあわせて、余裕があれば顔のストレッチやマッサージにもチャレンジしてみましょう!
肌のたるみが気になる人におすすめのストレッチ、マッサージをご紹介します。
◇毎日の生活でできる表情筋を鍛えるストレッチ
顔の中には、表情を作るために必要な筋肉がたくさん集まっています。
仕事柄あまり喋らない人や無表情になりがちな人、片側の歯だけを使ってものを噛むクセのある人などは、顔の筋肉の使い方が偏ってたるみを作りやすくなる場合があります。
目を大きく見開いてゆっくりと眼球を時計回り、反時計回りに回転させる、口を大きく開けて舌を出し5秒間キープする、「ば行」「ぱ行」などの破裂音を強く発してみる、といった普段はやらない動きを取り入れることで、重力に逆らうための筋力サポートをしてみましょう。
食事のときに片側だけで噛む人は、できるだけ両方で噛むクセをつけるといいですね。顎の筋肉は肌のたるみと大きく関係していますので、必要なら歯科治療も受けつつ、バランスの取れたフェイスラインを目指しましょう!
◇お手入れの際にできるかんたんマッサージ
クレンジング後の保湿ケアやクリームなどを塗るときに、たるみが気になる箇所をマッサージするのもおすすめです。
顎のフェイスラインから耳側や首側に向けて、指の腹や手の平を使い、ゆっくりと持ち上げるように肌を押さえてそっと離してみましょう。この動きを4~5回繰り返すことで筋肉をほぐし、血行をよくするはたらきがあります。
たるみ改善には、顔だけでなく首回りのケアも大切。
エラのあたりやフェイスラインから、これもゆっくりと鎖骨の方へ押し流すようなマッサージを取り入れてみましょう。ネイルなどで肌を傷つけないように、ローラーなどの顔マッサージ用器具を使うのもおすすめです。
ストレッチやマッサージをおこなうときは強く擦ったり引っ張ったりせず、器具を使うときも用法を正しく守っておこないましょう。
■まとめ
肌のたるみは加齢とともに、どうしても若いころより目立ってしまう現象です。ですが、紫外線対策やタバコ、飲酒を控えて生活習慣を見直せば、進行を緩めることができます。
毎日の基本的なお手入れや食生活、姿勢や噛みグセ、良質な睡眠を意識するだけでも、日々肌の調子は変わっていきます。そこにストレッチやマッサージをプラスして、何より毎日明るく楽しく過ごすことで、よりいきいきとした肌をキープしたいものですね。