お風呂で消費カロリーがアップできたらうれしいことです。お風呂は身体を清潔にして、リラックスできる場所。その上、カロリーまでしっかり消費できたら、一石三鳥ぐらいの価値になるかもしれません。そこで、この記事ではお風呂での消費カロリーを高める具体的方法をご紹介しましょう。
そうむずかしくないので、すぐにでも実践してみましょう。
この記事の監修者:児玉 華子 先生
北里大学医学部卒業、北里大学病院での研修後、膠原病・感染内科
■普通にお風呂に入る場合の消費カロリーとは
お風呂・シャワーに入った際の消費カロリーをご紹介します。
※この数値は一般的なもので、メッツ(身体活動の強さ)や消費エネルギー量には個人差があります。
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体重別消費エネルギー量(kcal) |
||||||
行動 |
1回あたりの時間(分) |
メッツ |
45㎏ |
50㎏ |
60㎏ |
70㎏ |
80㎏ |
入浴 |
20 |
2 |
32 |
35 |
42 |
49 |
56 |
シャワー |
15 |
4 |
47 |
53 |
63 |
74 |
84 |
シャワーの消費カロリーの方が多いことには驚きです。
◇カロリー消費のプチ情報!
カロリー消費が多そうな運動系ですが、実際の消費量はどうなのでしょうか。
前述した入浴とシャワーの消費カロリーと比べてみてみましょう。
|
体重別消費エネルギー量(kcal) |
|||||||
行動 |
1回あたりの時間(分) |
メッツ |
45㎏ |
50㎏ |
60㎏ |
70㎏ |
80㎏ |
|
ジョギング |
20 |
7 |
110 |
123 |
147 |
172 |
196 |
|
ゴルフ(電動カート使用) |
30 |
3.5 |
83 |
92 |
110 |
129 |
147 |
|
卓球 |
30 |
4 |
95 |
105 |
126 |
147 |
168 |
|
テニス |
30 |
7 |
165 |
184 |
221 |
257 |
294 |
|
サッカー |
45 |
7 |
248 |
276 |
331 |
386 |
441 |
|
水泳/平泳ぎ |
10 |
10 |
79 |
88 |
105 |
123 |
140 |
|
水泳/クロール |
10 |
8 |
63 |
70 |
84 |
98 |
112 |
|
水泳/背泳ぎ |
10 |
8 |
63 |
70 |
84 |
98 |
112 |
|
スキー |
30 |
7 |
165 |
184 |
221 |
257 |
294 |
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サッカーがダントツのカロリー消費量です。でも、日常的にできるスポーツではないですから、取り入れるのはむずかしいでしょう。
割と簡単にできて消費カロリーが多いのは、ジョギング・卓球・テニス、冬ならスキーといったところですね!
またカロリーを消費できるバスタイムも日常のなかで有効に過ごしたい時間です。
■温冷交代浴で代謝を高める
では、お風呂で消費カロリーを大きくする具体的な方法をご紹介します。
◇食事30分から1時間後の入浴が血糖値対策に◎
体重をコントロールしたいなら、血糖値の急上昇はなるべく避けたいところです。
血糖値を下げたいなら、最も血糖値が上がる食後30分~1時間に合わせて入浴するのがおすすめです。この時間帯の入浴で血糖値の下降が進むという研究結果もあり、食後の高血糖対策に有効です。
ただし、満腹状態のときは、内臓への負担を少なくするために半身浴が良いでしょう。
◇食事の30分から1時間前入浴は食べ過ぎを防止
食事の30分~1時間前に入浴すると、胃腸の働きが緩やかになり空腹感を感じにくくなります。食事のときの食べ過ぎが防げます。
◇アスリート御用達の温冷交代浴で代謝アップ
疲労回復のために多くのアスリートが採用しているのが、温冷交代浴です。
温水・冷水に交互に浸かると、血管の収縮と弛緩(ポンピング)が起こります。これにより運動でダメージを受けた筋肉の修復が促されるのです。
ただし、この入浴法は、欧米発で日本人の体質には合わない部分もあるようです。
日本人は欧米人と体感温度が違い、冷点が多く寒さを感じやすい体質。20度以下の水風呂は鍛え抜いたアスリートでもない限りハードでしょう。
◇家庭でできる温冷交代浴法はこちら
家庭で簡単に温冷交代浴の効果を得る方法があります。
冷水の代わりに25~30度のシャワーを当てれば、十分なクールダウンが可能。バスタブ&シャワーの交代浴を2~3セット程度おこない、ラストにお湯に浸かって保温すればOKです。
血行が促進され、代謝が上がりカロリー消費量が上昇、太りにくい体質になっていきます。
■呼吸方法の改善で新陳代謝UP
お風呂で血行促進し代謝をアップする方法、ご理解いただけましたか?
代謝向上のもう一つのポイントが、「呼吸」になります。
脂肪は酸素によって燃焼します。酸素をたっぷり取り込むほどの深い呼吸をおこなえば、脂肪燃焼率は高まるというわけです。
◇深い呼吸には姿勢が大事
深い呼吸に大事なのは、姿勢。背中を丸め、肩が前に出て内側に向かっているような状態では深い呼吸はできません。
背中を伸ばし肩を開きます。気道を広く確保し、胸・腹を使って腹式呼吸。
腹式呼吸はお腹周りの筋トレ効果がありますから、お腹からやせていく効果も期待できます。
呼吸が深くなると自律神経が整ってストレスホルモンが減少。ストレスによる過食の予防にもなります。
◇お風呂+呼吸で代謝アップ5つの理由
お風呂と呼吸で代謝が上がる理由をまとめます。
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酸素と栄養が行き渡り、代謝が活発に
お風呂の温熱・水圧効果によって全身の血流が上昇します。
血液中の酸素と栄養が元気良く全身をめぐり代謝が活発化。効率よく脂肪を燃やせる身体のできあがりです。
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エネルギー代謝を促す物質が増加
41度のお風呂に15分浸かると、熱を要因に体内で増えるタンパク質「ヒートショックプロテイン」が増加。このタンパク質は傷ついた細胞を修復する働きを持ち、より効率的にエネルギー代謝ができる身体にしてくれます。
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内臓の活性化でお腹周りスッキリ
深い呼吸は、腸などの内臓マッサージ効果も期待できます。
さらにお風呂で血流が促進されて緊張がほぐれると、内臓機能は活性化。
脂肪燃焼がどんどん進み、便秘も解消されます。気が付いたらポッコリお腹は消えてしまっているかもしれません。
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心肺機能が高まり脂肪燃焼をサポート
深い呼吸によって心肺機能が向上、酸素をたくさん取り込むことができるようになります。
身体のすみずみにまで酸素が行き渡り、この酸素によって脂肪は効率的に燃やされるのです。
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インナーマッスルが鍛えられ一層深い呼吸ができる
腹式呼吸に使う横隔膜は、胸の骨の下にあるインナーマッスルです。
横隔膜が鍛えられると、無意識で深い呼吸ができるようになり、身体は酸素の回りの良い「やせ体質」に変化します。
温冷交代浴で代謝を高め、正しい姿勢で深呼吸して体中に酸素をたっぷりデリバリー。
入浴と呼吸を意識して脂肪を燃焼してしまいましょう!
■まとめ
特別なことをしなくても、日頃の入浴と呼吸を意識するだけで消費カロリーをアップすることは可能です。温冷交代浴で代謝アップ、正しい姿勢での深呼吸で脂肪を分解する酸素を全身に行き渡らせます。
温冷交代浴と深呼吸、ぜひ今日から習慣にしてください。