「お風呂でついウトウトしてしまった…」なんて経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
1日頑張って疲れた状態で温かいお風呂に入ると、気持ちよくてどうしても眠くなってしまいますよね。しかし、お風呂で寝るのはとても危険な行為なんです。
ここでは、なぜお風呂で寝るのが危険なのかをウトウトしてしまう原因とともに徹底解説。お風呂で寝ないための対策法についてもご紹介するので、ついついお風呂で寝てしまいがちの方は是非チェックしてみてください。
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■お風呂で寝ることが絶対NGな理由
お風呂で寝るのはとても危険!と書きましたが、そこまで危機感を持っていない、という方がほとんどなのではないでしょうか。そこで、なぜお風呂で寝るのがNGなのか、大きな3つの理由をご紹介します。
◇おぼれる
人の眠りは意外と深く、ちょっとやそっとのことでは起きないこともあります。「顔までお湯に浸ったら起きるのでは?」と思いがちですが、びっくりしてパニック状態になってしまい、そのままおぼれてしまうというケースがあるようです。また、おぼれた際に飲んでしまった水が少量であっても心臓が止まることもあるので要注意です。
飲酒後の入浴でウトウトしているときは、特に気を付けなければなりません。
おぼれるリスクも高くなくなりますので、入浴はすぐに出るかシャワーで済ますことをおすすめします。
◇心臓に負担がかかる
お風呂で寝ることで心臓に負担がかかるというのは意外に思う方も多いのではないでしょうか。
これにはお風呂の水圧が関係しています。お風呂に入って大きな水圧を感じている方は多くないと思いますが、実はお風呂の中ではウエストが約3~6cm 細くなるほどの水圧がかかっています。
もちろんその水圧は心臓にもかかっており、15分以上 お風呂に肩まで浸かっていると心臓に負担がかかります。その影響により心臓や内臓にダメージが加わり白血球の数が減少してしまいます。白血球が減少すると免疫力が低下するため、体調不良や感染症などのリスクが高くなります。
さらに、心臓に負担がかかるということは、血圧が下がるということに繋がります。血圧が低下して血流が悪くなると脳に十分な酸素や栄養素を送り込むことができなくなるので、そのまま起立性低血圧(脳貧血)を起こして失神してしまうこともあります。
◇のぼせて脱水症状になる
お風呂で寝てしまうと長時間お風呂に浸かっている状態が続くので、のぼせて脱水症状になる危険があります。入浴は短時間であっても予想以上に体内の水分を奪ってしまいます。40℃のお湯に約15分浸かっていただけで、約800ml もの水分を失ってしまうのです。
脱水症状を起こすとめまいや吐き気が生じるだけでなく、血液中の水分が減少することで血液がドロドロになってしまいます。ドロドロの血液は血管で詰まりやすいため、脳血栓のリスクが高まります。さらに血液がドロドロになることで血圧が下がり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも増加します。血圧が下がって発症するのは脱水症状だけではないので、お風呂で寝るというのはとても危険なのです。
■どうしてお風呂で寝てしまうのか?
入浴中にウトウトしてはいけないとはわかっているものの、三大欲求である睡眠欲に打ち勝つのはなかなか難しいですよね。
まずは「どうしてお風呂で寝てしまうのか」について理解して、この後紹介するお風呂で寝ないための対策法を見ていきましょう。
◇疲れ
夕食後や就寝前など、お風呂に入るのは夜という方が多いですよね。それはつまり1日仕事や家事などの活動をして、疲れがたまっている状態でお風呂に入っているということになります。
これは身体だけではなく心の疲れも含まれており、身体や脳に疲れがたまっているので、できるだけ休もうとしてしまい入浴中にも関わらず眠くなるのです。
◇リラックス効果
お風呂に入ると緊張を緩める作用を持つ副交感神経が優位に働くので、リラックス効果が得られます。また、体温が上昇することにより血行が良くなり、筋肉のコリなどが解消される心地よさもお風呂にはあります。加えて発汗作用によるデトックス効果もあるなど、お風呂に入ることは“気持ちよくなる”効果を得ることでもあります。
人は緊張感がなく心地よい環境では眠くなるとされているので、お風呂は眠くなるのに最適な場所と言えるでしょう。
◇病気や失神の可能性
お風呂で知らないうちに寝てしまっている場合、病気や失神が原因の可能性もあります。先ほど紹介した起立性低血圧(脳貧血)がその代表例です。脳に血液が行き渡らなくなると失神してしまうのですが、失神する直前に感じるのは「眠気」のような感覚なのです。
ただ眠いなと感じていたら、失神直前の状態だったというケースもありますので、眠いと感じたらお風呂をあがるようにしましょう。
■お風呂で寝ないための対策
気を付けていても、いつの間にかお風呂の中で寝てしまう…なんて方もいるでしょう。
そこで、お風呂で寝ないための対策をご紹介します。ついお風呂の中でウトウトしてしまう方はしっかりと対策をおこないましょう。
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シャワーだけで済ます
どうしてもお風呂に入りたい場合は、お風呂には浸からずシャワーだけで済ますなどして、15分以内の入浴にすると良いでしょう。眠くならないために入浴時間を短くすることが重要です。
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歯磨きをしながら入る
何かをしながらお風呂に入るのはとても有効です。ただし読書やスマホを操作しながらの入浴は長時間になるので避けましょう。
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夕飯前に入る
食後は食べたものを消化しようと内臓に血液が集まるため、ただでさえ脳に血液が行き渡りづらい時間です。脳貧血のリスクも高まるので、夕飯前にお風呂に入るようにしましょう。
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手足を適度に動かす
手足の指を閉じたり開いたりして動かしてみましょう。手足を動かすことによって眠気を抑止するだけでなく、血行促進にもなります。
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アラームをセットする
予め入浴時間を決めておくのも効果的です。事前に入浴時間を短く設定することで、お風呂で寝ることを防げます。
■まとめ
お風呂は温かくて気持ちが良いので、ついウトウトとしてしまいがち。しかし、それは起立性低血圧による失神の兆候かもしれないので注意が必要です。お風呂で寝てしまうとおぼれたり脱水の症状が出たりするだけでなく、脳血栓などのリスクも高まります。それほど危険性のある行為だということを覚えておいてください。
今回ご紹介したお風呂で寝ない対策方法を実践して快適にお風呂を楽しみましょう。