パサパサ、ゴワゴワ、枝毛、切れ毛などの髪の傷み。
髪が傷むとツヤも低下する上に、手触りや質感も変わり見た目にも大きく影響します。
今回は大事な予定があって、なんとか傷んだ髪を少しでも健康的に見せたい!という方のために、知っておきたい裏技をご紹介。
そもそもの髪が傷む原因と改善方法を含め、髪の傷みについて詳しく解説します!
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■髪が傷む原因とは?
髪の傷む要因はさまざまありますが、傷みの根本的な原因は次の2つです。
◇キューティクルの傷み
健康でツヤのある髪は、髪の表面にあるキューティクルが何層にも重なっているのが特徴です。しかし、傷んだ髪のキューティクルの層は「剥がれ・めくれ・層の間にスキマができる」など、健康な状態とは異なります。
キューティクルが乱れた髪は、手触りやツヤが低下する上に、枝毛と切れ毛が起こる大きな原因です。
また、キューティクルが傷む要因は、主に次のことがあります。
・ヘアカラー、ブリーチ、パーマ
・髪同士の摩擦(シャンプーの量が少ない、タオルで強く拭くなど)
・ドライヤーやアイロンなどの熱
・太陽光や紫外線ダメージ
キューティクルはカラーやパーマなどの薬剤の影響に加え、毎日のシャンプーでも傷むことがあるので注意しましょう。
◇髪の空洞化
髪の空洞化とは、髪の内側にある繊維の結びつきが切断され、髪の構造が弱くなって中心に空洞ができる症状のことです。
構造がもろくなった髪は、髪をしなやかにするタンパク質や皮脂がシャンプーをする度に流れ落ちやすくなります。それによって髪の質感も変化するため、「パサパサ・ゴワゴワ」という症状が起こるのです。
■髪の傷みが気になるときの裏技!即効性のある対処法
傷んでいる髪はまとまりがなくツヤも少ないため、見た目でもすぐに傷んでいると分かります。そんな髪を健康に見せるためには、即効性のある対処法を実践しましょう。
◇洗い流さないトリートメントや美容液
洗い流さないトリートメントなどは、髪のダメージを補修できる方法です。中でも、乾いた髪に使えるタイプの場合、外出前に使うことでツヤのある髪を取り戻すことができます。
洗い流さないヘアケアのアイテムは、オイル、ミルク、スプレーなどの種類がありますが、外出前にはスタイリングにも使える「オイル」がおすすめです。
オイルタイプは保護膜が髪を1本1本包み込むため、ツヤとしっとり感のある仕上がりになります。
ただし、オイルは塗り過ぎるとべたつくので、決められた量に留めることが大切です。
◇スプレータイプのトリートメント
スプレー(ミスト)タイプのトリートメントは、手軽に使えることが最大の魅力です。
スプレータイプは頭全体にかけやすく、ドライヤーやアイロンの熱から髪を保護してくれるタイプも多いので、スタイリング前に使うのに適しています。
また商品によっては髪のうねりやくせ毛をまとめる、ボリュームを抑える、紫外線予防など、さまざまな効果もあるので1本持っておくと便利です。
■髪の傷みを根本から改善する方法
髪の傷みを根本的に改善するためには、新しく育つ髪を大切に伸ばして傷んだ部分をカットする必要があります。。
健康的な髪を育てるには、次の方法を取り入れましょう!
◇トリートメントを正しく使う
トリートメントは、キューティクルの傷みや空洞化を改善する、最も効果的な改善方法です。
しかし、トリートメントには正しい使い方があり、間違った使い方をすると髪の補修効果が薄れてしまいます。トリートメントは次の手順で使うと、髪の外側と内側をしっかり補修できるでしょう。
1.トリートメントをする前に、しっかり水気を切る
2.トリートメントを両手に広げ、毛先を中心に全体的につける
3.手ぐしで髪の内側にもトリートメントを行き渡らせる
4.ぬるぬるとした感覚がなくなるまでしっかりすすぐ
トリートメント成分が薄まるので使用する前に水気を切る、毛先に対して重点的に付ける、しっかりすすぐことがポイントです。
特に傷みが気になる場合は、ビニールのヘアキャップをかぶって5分程度置いてから洗い流すとより効果があります。
◇ドライヤーを正しく使う
ドライヤーを使う時間が長いと、かえって髪を傷めてしまうため、いかに短時間で完全に乾かせるかが重要です。ドライヤーを使う際は、以下のポイントを踏まえて行いましょう。
・ドライヤーを使う前に、毛先から水滴が落ちないまでタオルドライをする
・毛先ではなく頭皮を乾かすイメージで、全体的にドライヤーを当てる
・吹き出し口付近は100℃に達するため、髪から15cmほど離した状態で乾燥させる
・温風で乾かしたあとは冷風を当てる(温風8割・冷風2割のイメージで)
このように、何気なく使いがちなドライヤーも、正しく使うことで熱による髪の傷みを軽減できるでしょう。特に重要なポイントは、冷風を使うことでキューティクルを締める、熱ダメージを緩和する、髪のタンパク質を固めるといった効果が期待できること。
また、浴室の前の洗面台でドライヤーを使う方も多いですが、浴室からの湿気が流れるため、ドライヤーを使う場所としてふさわしくありません。
髪を乾かす場所にも配慮すると、より髪の傷みを防ぐことができるでしょう。
■まとめ
おさらいすると、髪が傷む根本的な原因は、キューティクルの傷みと空洞化です。
それらが起こる主な要因は、カラーやパーマなどの薬剤や、髪同士の摩擦、紫外線。
今回は傷みをすぐにケアしたい場合の即効性のある方法もご紹介しました。
ですが、根本的に改善するためには、健康な髪を育てるための正しい頭皮ケアや、正しいドライヤーの使い方などの習慣化が不可欠です。髪は毎日洗うものなので、日々のケアを抜かりなく行うことで、髪の傷みも改善していくでしょう。