歳を重ねるとだんだんと肌のハリが失われていき、顔がたるんでくるもの……。
たるみは見た目の印象を大きく左右する要因でもあるので、たるみが酷いと実年齢よりも老けて見えてしまうことも。逆にたるみのない顔だと、見た目よりも若々しい印象になります。
本記事では、たるみの原因やメカニズムを解説すると共に、たるみの対処方法をご紹介。現在たるみに悩んでいる方はもちろん、まだたるみがない方もぜひチェックしてみて下さい。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■たるみの原因・メカニズム
たるみができる主な原因は、以下の3つです。それぞれの低下のメカニズムを見ていきましょう。
● 肌弾力の低下
肌の弾力を維持するのに大切なのは、保湿力のある「コラーゲン」とコラーゲンを支える弾性繊維「エラスチン」。どちらも紫外線や体内の活性酵素によってダメージを受けて破壊されやすく、ハリや弾力が失われてたるみに繋がります。
● 代謝機能の低下
基本的に肌の細胞は約4週間でターンオーバーを繰り返しますが、乾燥や睡眠不足、栄養不足に陥ると正常なターンオーバーがおこなわれません。肌の代謝機能が落ちると皮下脂肪が厚くなり、重力に逆らえずにたるみに繋がります。
● 筋力の低下
歳をとると筋力は衰え、顔も例外ではありません。筋力が衰えると皮膚や皮下脂肪を支えきれず、たるみに繋がります。
■たるみの対処方法
たるみの原因となる肌弾力の低下や筋力の低下は加齢によって起こるものなのですが、仕方がないと諦める必要はありません。ここでは、おすすめのたるみの対処方法を4つご紹介します。
◇たるみ解消ストレッチ
前述したように、たるみの原因の一つに筋力の低下があります。あまり表情筋を動かさずにいると、筋力はどんどん低下していきます。逆に表情筋を鍛えると、皮膚と皮下脂肪を支えるだけでなく、肌のハリや弾力を生み出すコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞を刺激して活発化させることも可能です。
さまざまな表情をして表情筋を鍛えるストレッチや、頭皮をもみほぐすストレッチをおこないましょう。
◇たるみケアに特化した基礎化粧品
紫外線や活性酵素によって傷ついたコラーゲンやエラスチンをケアするために、化粧品で補うこともたるみに有効な手段になります。たるみに効くと言われているコラーゲンやコエンザイムQ10、ビタミンCが配合されている化粧品を使用してみてはいかがでしょうか。
また、乾燥は代謝を低下させる大きな要因です。ヒアルロン酸やセラミドなどが配合されている化粧品を使用して、保湿ケアをしっかりとおこなうことも重要なポイントです。
◇食生活の改善
紫外線がコラーゲンやエラスチンを破壊すると述べましたが、実は破壊するのは紫外線だけではありません。糖や油を摂取しすぎても、コラーゲンとエラスチンはダメージを受けてしまいます。
特に注意したいのが、ごま油やサラダ油、菜種油に含まれている「オメガ6」。料理にそれほど使用していないから大丈夫、と思っていても、市販のケーキやドレッシング、パンなどに大量に含まれていることが多いので、無意識のうちに過剰摂取をしてしまいがちです。
コラーゲンやエラスチンを破壊してしまっては、どれだけ良い化粧品でケアしても意味がありません。油は、アマニオイルや魚に含まれている「オメガ3」を摂取するようにしましょう。
◇クリニックでの治療
上で紹介した3つの対処方法は、たるみケアに有効と言っても即効性があるわけではなく、中・長期的なケアをすることで変化が望める方法です。たるみに即効性を求めるのであれば、クリニックで治療を受けましょう。
ヒアルロン酸注入やレーザー治療、糸によるリフトアップなどさまざまな方法がありますが、どれもメリット・デメリットが存在するので、カウンセリングをしっかりとした上で自分に合った方法を選ぶようにしましょう。
■たるみを深刻にしないために
できてしまったたるみを改善するのは、簡単なことではありません。そこで重要になるのが、たるみができてしまう前のケアです。ここでは、たるみが進む前にしておきたいことを2つご紹介します。
◇日々のストレッチ
血行改善と表情筋を衰えさせないために、日々ストレッチをおこないましょう。頭皮のストレッチは、頭全体を指の腹でやさしく押さえ、もみほぐすだけ。顔のストレッチの手順は、以下の通りです。
1. 顔の中心に全てのパーツを集めるように、思いっきり顔をすぼめる。
2. 収縮した筋肉を外側に広げるイメージで、目や口を大きく開く。
以上のセットをゆっくりと5回繰り返しましょう。
◇紫外線対策
紫外線はたるみの原因の一つなので、紫外線対策は徹底しておこないましょう。冬や曇りであっても必ず日焼け止めを塗るようにしたり、日傘を持ち歩くのがおすすめです。
日焼け止めは汗で落ちてしまったり効果が薄くなってしまったりするので、朝に1度塗ったら終わりではなく、2〜3時間毎に塗り直しましょう。
また、塗る量が多ければ多い程、効果が高まるというわけではありません。効果的な付け方は、適量を1度塗って肌に馴染ませた後にもう1度塗る「重ねづけ」です。顔だけでなく、首から襟足にかけても塗るのを忘れないようにして下さい。
■まとめ
見た目年齢を若々しくするために重要なポイント、たるみケア。
しかし紫外線や乾燥、筋力の低下によるたるみは、年齢を重ねるとともにできてしまうものです。しかし今回ご紹介した対処方法を実践すれば、たるみが気になる前にケアができ、理想の状態をキープすることも望めます。
1度できてしまったたるみの改善は難しいため、ストレッチや紫外線対策などを習慣にすることが大切になります。肌へのダメージは蓄積されていくので、やはり日々の積み重ねが大切なんですね。たるみのない若々しい肌を目指して、できる範囲で細かなケアを意識しましょう!