冷えに悩まされる女性におすすめしたいのが、お風呂で汗をかくことで心身に好循環が生まれる美容法です。毎日の暮らしに取り入れやすいこの方法は、健康やダイエット目的の運動が長続きしない人にも、おすすめとなります。
今回は、発汗によってもたらされるメリットと、お風呂で効率よく大量発汗するコツ、汗をかいた後の注意点などをわかりやすくご紹介していきたいと思います。
この記事の監修者:近藤 千種 先生(内科医)
2013年帝京大学医学部卒業。日本抗加齢医学会専門医。出身地である愛知県下の病院で内科医として診療に従事すると同時にセルフケアやアンチエイジングについてメディアへの出演・寄稿を通じて啓蒙活動を行なっている。
INDEX
■お風呂で汗をかいてきれいに!?嬉しい発汗のメリット4選
お風呂で汗をかくと、美容と健康の両面で次のようなメリットが生まれます。
◇ダイエット効果(代謝UP)
新陳代謝をアップさせる入浴タイムの発汗は、今実践しているダイエット効果を高めます。特に冷え性の人は、さまざまなダイエットの効果が出にくい傾向がありますので、今より痩せやすい体質にするために、お風呂で汗をかくことを習慣化してみてください。
◇美肌・デトックス効果
体内の老廃物を効率よく排出できるデトックス効果も、大きなメリットの一つです。普段の食生活が乱れていたり、身体を冷やす寒い環境で長く過ごしていると、体内に溜まった老廃物で大人ニキビなどの肌のトラブルも起こりやすくなります。
一方、毎日のバスタイムでたくさん汗をかく女性は、肌再生のターンオーバーが正常化することで、キメの整ったワントーン明るい肌をキープしやすくなると言われています。
◇ストレス解消
ストレスによる心身の緊張を緩和するには、湯船に浸かるなどの方法で副交感神経を優位にするのが理想です。毎晩のお風呂で汗をかいてスッキリすると、交感神経のバランスも整い、ストレスによる不眠なども緩和しやすくなります。
◇むくみを和らげる
デスクワークなどでブーツが入らないほど脚がむくんだ人にも、お風呂で発汗する習慣はおすすめです。湯船の中でリンパの流れが良くなると、スッキリとした脚で翌朝を迎えやすくなります。むくみが酷いときには、入浴中にふくらはぎや太もものマッサージをしてみても良いでしょう。
■お風呂で効果的に汗をかく方法~簡単に大量発汗のコツ
続いて、大量発汗しやすくなる入浴のコツをご紹介していきましょう。
◇入浴前スクワット
お尻を突き出し「膝を曲げる」と「膝を伸ばす」を7秒ずつおこなうスクワットは、太ももの筋肉を動かすことで身体を内側から温めてくれる運動です。入浴前におこなうと、内外から効率よく温められた身体に大量の汗を出やすくするメリットが生まれます。お腹まわりや下半身痩せにも効果的なスクワットは、ダイエット中のエクササイズとしてもおすすめです。
◇3-3-3入浴法
3-3-3入浴法とは、「41~42度と少し熱めのお湯に3分間浸かった後、身体を冷ます3分間で身体や頭を洗う」を3回繰り返す方法です。たったの9分で効率よく身体を温められる3-3-3入浴法なら、仕事や子育てでのんびり浴槽に浸かる余裕がない女性でも、短時間で簡単に実践できます。
1セットをやるだけで、30分のジョギングと同じカロリー消費ができるこの方法は、運動不足やダイエット中の女性にもおすすめとなるでしょう。
◇発汗効果のある入浴剤を使用する
もっと多くの汗を出したい場合は、炭酸の入った入浴剤を使ってみてください。炭酸ガスが溶け込んだお風呂には、末梢血管の拡張により血行促進してくれる効果があります。炭酸浴によって血管の反応性が高まると、短時間の入浴でだるい疲れも緩和されやすくなりますよ。
■お風呂で汗をかいた際の注意点
バスタイムに大量の汗をかくときには、次の注意点を守ってくださいね。
◇のぼせによる体調不良に注意
発汗よりも体温上昇が勝った場合、吐き気やめまいなどの「のぼせ」と呼ばれる症状が起こることがあります。非常につらいのぼせを防ぐには、入浴前にコップ1杯の水を飲み、熱すぎないお湯に浸かるなどの対策をとる必要があります。
自身の体調が優れないときには、どんなに健康効果の高い入浴法であっても、無理をせずに安静にしたほうが良いかもしれませんね。
◇水分やナトリウムを補給する
大汗をかいたときに注意したいのが、水分不足と塩分不足です。入浴中に大量の水分が体内から失われると、ドロドロの血液で血管が詰まりやすくなります。
一方、汗に含まれるナトリウム(塩分)には、神経や筋肉を正常に動かし、体内の塩分量と水分量のバランスを整える大事な働きがあります。そのためお風呂から上がったら、なるべく早めにミネラルウォーターや糖分の少ないスポーツドリンクなどを飲み、水分と塩分の補給をしてください。
ただしくれぐれも一気飲みは避け、少しずつゆっくりと飲みましょう。
◇湯冷めに気をつける
湯冷めを防ぐには、入浴後すぐに髪を乾かし、身体が冷える前に温かい服や靴下で保温するのが理想です。身体が一気に冷えると快眠効果も半減しますので、深く質の良い眠りを得るためにも、お風呂から上がった後の着替えなどは早めに終わらせたほうが良さそうですね。
■まとめ
たくさんの汗をかくお風呂美容法には、女性に嬉しい美肌やむくみを和らげる効果、ダイエットといった多くの効果が期待できます。冷え性などで汗の出にくい人は、先ほどご紹介した入浴前のスクワットや炭酸入浴剤の使用、3-3-3入浴法などを取り入れてみてください。
体内の水分・塩分が減少する大量発汗後は、湯冷めに気をつけながらミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲むなどのアフターケアも必要です。糖分の多いスポーツドリンクが苦手な人は、梅干しなどで塩分補給をしてくださいね。