「お風呂に入ると頭が痛くなる…」、そんな悩みを抱えている方も少なくありません。頭痛は原因によって3種類に分類されますが、お風呂で起こるタイプは片頭痛が一般的です。しかし、なぜお風呂で片頭痛が起こるのか、その原因は何なのか、ご存じない方も多いのでは?
この記事では、慢性的な頭痛の種類、お風呂で片頭痛が起こるメカニズム、片頭痛を抑える正しいお風呂の入り方についてご紹介します。
INDEX
■お風呂に入ると頭が痛い?慢性的に起きる3大頭痛を紹介
慢性的に起こりうる頭痛の種類と痛みの特徴、症状が起きる頻度、起きやすい人について見ていきましょう。
◇片頭痛
片頭痛はこめかみを中心にズキズキと脈打つように強く痛む、頭の片側だけ傷む、身体を動かすと痛みが増すという特徴があります。また、光がまぶしく感じる、音に敏感になったりする傾向も片頭痛の特徴の1つです。
片頭痛は週に1回、または月1~2回くらいの頻度をくり返す傾向があります。片頭痛は女性ホルモンが関係しているので、男性よりも女性に多いのが特徴です。
また、ストレスが多い方や生活習慣が不規則な方も、片頭痛になりやすいと考えられています。
◇緊張型頭痛
肩こりや目の使いすぎで頭や首の筋肉が緊張し、血行が悪くなることで痛みが発生します。頭が重く感じる、圧迫感があるという痛みが特徴で、片頭痛よりも痛みが長く続きます。
緊張型頭痛は日中や夕方に起こりやすく、頻度は1週間、もしくは1年を通して起こります。
デスクワークや長時間の車の運転など、同じ姿勢を続ける人に起こる傾向があります。また、精神的や肉体的なストレスも、緊張型頭痛の原因の1つです。
◇群発頭痛
20~30代の男性に起こりやすい群発頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛よりも痛みが重いのが特徴です。原因は解明されていないのですが、脳に栄養を送る目の後ろの血管が炎症を起こし、周囲の神経を圧迫することで痛みが発生すると考えられています。
目の奥がえぐられる、頭の中をかきまわされる、といった激しい痛みが特徴です。目の充血や腫れ、涙や鼻水が出る、額に汗をかくなど、ほかの症状も同時にあらわれることも少なくありません。
頻度は半年~3年に1回と多くないものの、ひとたび症状が起こると、15分~3時間ほど痛みが毎日続きます。そのうえ、これが1か月以上にかけて続くので、慢性的な頭痛の中でも特につらいといえるでしょう。
このように、慢性的に起こる頭痛は、原因とメカニズムが異なります。しかし、今までで経験のない激しい頭痛が起こった場合、単なる頭痛ではなく、病気の可能性も否定できません。
鎮痛剤が効かない、頭痛がひどくなる、手足のしびれや発熱、意識が遠のくといった症状を併発した場合は、すみやかに医師の診察を受けましょう。
■お風呂で頭が痛む「片頭痛」のメカニズムと5つの要因
お風呂に入るとなぜ片頭痛が起きるのか、そのメカニズムと要因について探っていきます。
◇片頭痛のメカニズムとは?
片頭痛のメカニズムは諸説ありますが、有力な説は血管の拡張です。
緊張やストレスを受けると血管が縮小し、縮小した血管が炎症した状態で拡張することが、この説のメカニズムです。片頭痛が脈打つように痛むのは、炎症した血管に血液が通ることと考えられます。
◇片頭痛を引き起こす5つの要因
片頭痛を引き起こす要因は、以下の5つが代表的です。
・緊張やストレス
実際に緊張やストレスを感じているときではなく、解放されたあとに片頭痛が発生することが多くあります。
・熱いお風呂
片頭痛は血管の収縮が原因ですが、血管が拡張する場合でも片頭痛が起こります。
・ホルモンバランスの乱れ
生理前や生理後に片頭痛が起きるのは、ホルモンバランスの乱れが要因です。女性ホルモンの1種、エストロゲンの分泌が減ると、血管の収縮や痛みをコントロールするセロトニンの分泌も減ってしまいます。
そのため、痛みに過敏になることで、片頭痛が起きやすくなるのです。
・空腹による低血糖
空腹になったときに起こる低血糖は、片頭痛を引き起こします。朝食をとらない、または過度なダイエットをすると、空腹で過ごす時間が長くなるので注意が必要です。
・生活習慣の乱れ
肉体労働による過労や睡眠不足、休日の寝すぎといった生活習慣は、肉体的なストレスがかかることで片頭痛の原因になります。
■片頭痛のための正しいお風呂の入り方~気を付けたいポイント6つ
片頭痛を持っている方は、お風呂の入り方によって症状が悪化するおそれがあります。そこで、片頭痛を起こさない、悪化させないための、正しいお風呂の入り方について紹介します。
・入浴のタイミングは「食後30分」「寝る前1~2時間」以外!
食後は消化のために血液が胃に集中しますが、お風呂に入ると血液が全身にまわって消化不良を起こします。
寝る直前にお風呂に入ると体温が高くなり、睡眠を妨げてしまうので、適切なタイミングを守りましょう。
・お風呂の温度はややぬるめの38~40℃に
熱いお風呂に入ると血管が拡張し、血行が必要以上に良くなります。血行が良すぎると片頭痛の悪化につながるので、温度をぬるめにしておくと安心です。
・入浴前には必ず水分補給を
お風呂に入るとたくさん汗をかくので、脱水症状を起こさないようにするため、コップ1杯の水を飲みましょう。
・すぐに湯舟に入らずシャワーで身体を慣らす
かけ湯やシャワーをしないで湯船に入ると、急激な体温変化で血管が拡張します。片頭痛が起こるリスクが高くなるので、先に髪や身体を洗い、シャワーを浴びて身体を慣らしましょう。
・時間は「半身浴5分」と「全身浴10分」程度
半身浴を5分、全身浴10分にとどめることがポイントです。長湯をすると血行が良くなりすぎるため、これ以上のお湯に入るのは避けましょう。
・好みで入浴剤やバスソルトなどを加えてもOK
片頭痛はストレスや緊張が原因になるので、お風呂に入ってリラックスすることが大切です。好きな香りの入浴剤やバスソルトを使い、リラックスできるように工夫するといいでしょう。
■まとめ
慢性的な頭痛は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3種類です。片頭痛はさまざまな要因で血管が拡張して起こる説が有力なので、血行が良くなるお風呂の頭痛は片頭痛と考えられます。
お風呂の片頭痛を起こさないようにするには、お湯の温度や入る時間、お湯に身体を慣らすことがポイント。血行が良くなりすぎないよう、長湯は避けることが大切です。
また、片頭痛はストレスと関係が深いので、お風呂でリラックスできるように工夫するといいでしょう。