生理になるとお風呂に入らない方がいい、そんな意見を耳にしたことはありませんか?しかし、お風呂に入って身体を温めると、生理痛などのつらい症状を緩和できる可能性があるのです。
この記事では、生理中の入浴にまつわる疑問、適切なお風呂の入り方、お風呂が
めんどうなときの対処法についてご紹介します。これまで生理中はお風呂を避けていた、という女性はぜひチェックしましょう。
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■生理中でもお風呂(入浴)は問題ない?
結論からいうと、生理中にお風呂に入っても問題ありません。しかし、生理中ならではの注意点があるので、以下の内容をチェックしましょう。
◇生理中でも入浴して大丈夫!
生理中の入浴に対し、「経血でお湯が汚れそう、お湯の雑菌が膣に入りそう」といった不安を持つ方も多いでしょう。しかし、入浴すると水圧がかかって経血が出にくい状態になり、お湯が汚れることはほとんどありません。雑菌が膣に入る心配もほとんどないうえに、入浴で血行が良くなると生理痛の緩和も期待できるのです。
ただし、お湯から上がると水圧がなくなるので、たまっていた経血が出てくることがあります。特に量が多い日や、経血が出てくることに抵抗がある方は、シャワーですませてもいいでしょう。
デリケートゾーン(外陰部)に付着した経血は、お風呂できれいに洗い流すとかぶれのケアにつながります。デリケートゾーンは粘膜なので、弱酸性のボディーソープを使って擦らずにやさしく洗いましょう。ただし、膣内は自浄作用により雑菌が繁殖しないので、膣の中まで洗わないことが基本です。
◇お湯の使いまわしは避けるべき
生理中はむしろお風呂に入った方がいいのですが、清潔ではないお湯に入ることは避けましょう。同じお湯を数日使いまわすと、雑菌が増えて感染症などのリスクが高くなります。家族と一緒のお風呂に入る場合は、一番風呂に入るか、自分の番でお湯をはり変えることをおすすめします。
また、お湯の使いまわしという点では、不特定多数の人が入る温泉や銭湯は注意が必要です。自宅のお風呂よりも雑菌がはるかに多く、感染症のリスクが高くなります。それに加えて、自分の経血が原因で、ほかの人に感染症を移す可能性も否定できません。生理中の入浴を禁止する施設も多いので、生理中は自宅のお風呂だけにすることが大切です。
旅行などでどうしても温泉に入りたい場合は、量が多い日は避ける、タンポンや月経カップを使うなど、経血で汚さないように配慮しましょう。
◇貧血を起こしているときは注意!
生理が来るとくらくらしたり動悸がしたりする方は、鉄分不足による鉄欠乏性貧血の可能性があります。毎月の生理で鉄分が不足し、体内に酸素を届けるヘモグロビンが減って身体が酸欠状態に陥ってしまうのです。めまいや息切れ、動悸といった貧血の症状が出ているときは、無理に入浴することは避けて安静にしましょう。
■生理中のお風呂の温度や入浴時間の目安はある?
生理中は熱めの温度がいい、ぬるめがいいといった説がありますが、実際のところ生理中だからといって特別に敏感になる必要はありません。
そのため、お湯の温度や入浴時間に決まりはなく、好みの温度で好きなだけ入浴して大丈夫です。生理中はストレスがたまりやすいので、細かいことを気にせず、ゆったり過ごすよう心がけましょう。
入浴は生理痛の緩和に加え、生理前特有の症状が起こる「PMS」の緩和も期待できます。重い生理痛やPMSに悩んでいる女性は、38~40度のお湯で20分くらい長めに「半身浴」すると効果的です。
ただし、上半身が冷えてしまうので、タオルを肩にかけて防寒することが大切です。
■生理中でお風呂がめんどうくさいときはどうする?
生理中は生理痛をはじめ、風邪や膀胱炎、頭痛などの症状が起きやすくなります。体調が悪いとお風呂に入るのがめんどうになり、そのまま寝てしまいたいと思う方も多いでしょう。
生理中にさまざまな体調不良が起こるのは、免疫力が低下し、感染症にかかりやすい状態になるからです。感染症を防ぐには、なるべくお風呂に入って身体を清潔に保つことが効果的です。
生理痛などの不調があった場合でも、お風呂で身体が温まり、症状が楽になることもあります。生理中でつらくてもめんどうがらず、お風呂に入ることを心がけましょう。
■まとめ
生理中にお風呂に入ると、身体を温めることで生理痛やPMSの緩和につながります。デリケートゾーンを清潔にするとかぶれのケアになるので、弱酸性のソープでやさしく洗いましょう。また、経血は水圧で出にくくなるので、お湯が汚れる、雑菌が入るという心配はほとんどありません。お湯の温度や入る時間に決まりはないので、好みの温度でゆったりとお湯に浸かってリラックスしましょう。
生理中の不調でお風呂に入るのがめんどうでも、身体を清潔に保つことで感染症にもなりにくくなります。ただし、清潔なお湯に入ることが条件なので、お湯を使いまわさずに新しいお湯をはることが大切です。