雨が降った日やセットをしても起こる髪のうねりは、くせ毛の髪によく起こる現象です。なかなか直らない頑固なくせ毛は、一体どのような原因で起こるのでしょうか?くせ毛は生活習慣によって悪化してしまうので、適切なケア方法を取り入れることが大切です。今回は、くせ毛が起こる原因とくせ毛の種類、くせ毛の悩みを解消できるケア方法について解説します。
この記事の監修者:川崎 加織 先生
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本抗加齢医学会専門医。
「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。
■くせ毛の原因や種類について
くせ毛が起こる原因と、あまり知られていないくせ毛の種類について紹介します。自分のくせ毛がどれに該当するかをチェックしてみましょう。
◇くせ毛になる原因
くせ毛が起こる原因は、遺伝、加齢、生活習慣、合わないヘアケアなどがあげられます。
・遺伝によるくせ毛
髪のくせは優性遺伝をする性質があり、両親のどちらかがくせ毛の場合、7割ほどが遺伝するとされています。また、東洋医学の観点では、男性は母親、女性は父親の遺伝を受けやすい傾向があるようです。
・加齢によるくせ毛
20~40代は髪の密度が最も高く、頭皮にもハリがあり、水分や皮脂のバランスがよい状態です。しかし、年齢を重ねると頭皮の筋肉がゆるみ、毛穴が楕円形に変形することで髪が歪んで生えてくるようになります。
また、60代以降になると加齢のくせ毛に加え、女性ホルモンの減少で髪の密度が低下し、髪のボリューム低下、切れ毛などが起こります。
・生活習慣によるくせ毛
生活習慣が原因で起こるくせ毛は、バランスの悪い食生活が影響します。特に、脂肪が多い食事が多いと、頭皮に皮脂が多く分泌されて毛穴が詰まり、髪が細くなることでくせ毛となります。
・合わないヘアケアによるくせ毛
くせ毛の原因となる合わないヘアケアは、洗浄力の強すぎるシャンプーを使うことです。頭皮の皮脂が必要以上に皮脂が洗い流されてしまい、それによって頭皮の乾燥を引き起こします。髪の水分量が均一にならない、広がった毛穴に老廃物が溜まるという状態になり、くせ毛が強く出る可能性があります。
◇くせ毛の種類には5種類もある!?
くせ毛は5つの種類があり、くせの出方に以下のような特徴があります。
・波状毛…髪が大きく波のようにうねるタイプ
・捻転毛…髪がコイル状に捻じれており、髪質が太い人に出る傾向がある
・縮毛…アフロのような最も強いくせ毛で、毛が毛根からチリチリと縮れている
・連球毛…表面がボコボコ・ザラザラで数珠が連なっているタイプ
・加齢のくせ毛…髪の水分量が低下し、根本のざらつきや弾力がないタイプ
この中で日本人に多いのは波状毛で、うねりやごわつきを感じたり、雨の日に広がったりするのがこのタイプです。
■くせ毛を悪化させてしまう生活習慣
間違った生活習慣により、知らないうちにくせ毛が悪化している可能性があります。
・ドライヤーで乾かさない
濡れたままの髪で寝てしまうと、寝がえりの摩擦や水分の重みで、髪はすぐに傷んでしまいます。また、翌朝の強いくせ毛が起こるのも、ドライヤーで乾かさないことが影響します。
・アイロンを使う縮毛矯正のやり過ぎ
くせ毛を早く直したいがために、縮毛矯正をかける方も少なくないでしょう。しかし、高温のアイロンを使う方法では、髪のキューティクルを溶かしながら髪を伸ばすため、やりすぎるとキューティクルのない髪になります。キューティクルのない髪はタンパク質が流出して髪がバサバサになり、強いくせ毛となるのです。
・間違ったシャンプー選び
シャンプーに配合されているコーディング剤や添加物は、毛穴に付着することでくせ毛になる可能性があります。また、安いアルコール系のシャンプーは、洗浄力が高すぎることで、頭皮の乾燥を招くので注意しましょう。
■くせ毛でお悩みの方必見のケア方法
くせ毛は正しい方法でケアすることで、次第に扱いやすくなっていきます。そこで、くせ毛に悩む方は、以下のケア方法を実践しましょう。
◇シャンプーの仕方を改善してみる
くせ毛になって髪が生える要因は、毛穴に詰まった皮脂が障害物となり、毛穴が歪んでしまうからです。うねりが気になるくせ毛は、毎日のシャンプーで地肌の汚れを落とす、以下の方法をシャンプーに取り入れましょう。
・シャンプー前にブラッシングをして、毛穴の汚れを落とす
・シャンプーをつける前に、地肌をしっかり予洗いする
・シャンプーとリンスはしっかりすすぐ
ブラッシングと予洗いで、地肌の汚れが落ちやすくなります。ただし、予洗いといっても簡単に洗うという意味ではなく、シャンプーをつけないで普通に洗うイメージです。また、シャンプーは洗浄力が強すぎないものを選びましょう。
◇自宅でできる簡単くせ毛対処法
自宅で簡単に実践できる対処法は、以下のものがおすすめです。
・アウトバストリートメントを使う
・風量が強いドライヤーで、髪の根本から湿った部分がなくなるまで乾かす
・寝ぐせは根元から髪を濡らし、ドライヤーで乾かす
アウトバストリートメントは、オイルタイプを選ぶと、キューティクルをしっかり保護してくれます。ドライヤーで乾かす際は、濡れた部分が寝ぐせになるので、しっかりと乾かしましょう。もしも寝ぐせがついたら髪を濡らせば元に戻りますが、根本から濡らした方がより効果的です。
◇美容院でくせ毛を改善してもらう
美容院でくせ毛を改善する方法は、ストレートパーマ、縮毛矯正の2つです。ストレートパーマは薬剤のみ、縮毛矯正は薬剤とアイロンを使うという違いがあります。
・ストレートパーマの特徴とメリット
ストレートパーマは薬剤のみを使い、髪の内部のずれを切り離し、正しく組み替えることでまっすぐな髪にするという仕組みです。ストレートの具合は程よい感じで、ふんわりとした仕上がりになります。パーマを落としたい方、自然なボリュームダウン、波状毛の改善をしたい方に最適です。
・縮毛矯正の特徴とメリット
縮毛矯正は、薬剤とストレートアイロンを使い、熱を加えながら伸ばす方法です。強いくせ毛でもまっすぐに伸びるうえに、熱を使うので手触りがいいというメリットがあります。また、ストレートの状態が長持ちするので、強いくせ毛を本格的にストレートにしたい方にピッタリです。
■まとめ
くせ毛が起こる原因は、遺伝や年齢、間違ったヘアケアなどで起こります。特に、頭皮の乾燥と過剰な皮脂は、くせ毛の大きな要因です。これらは正しいヘアケアを行うことで、頭皮環境を整え、くせ毛が生えないようにすることが大切です。また、くせ毛は自分でできるケア方法と、美容院で直す方法があります。くせ毛の悩みに合わせ、自分に合った方法でくせ毛のないキレイな髪を手に入れましょう。