「髪の毛が薄くなって分け目が目立つようになってきた」「抜け毛が多くなってきたから薄毛になるのでは、と不安」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?薄毛というと男性に多いイメージですが、近年は女性でも薄毛に悩んでいる方は多くいます。
そこで本記事では、薄毛の原因をヘアサイクルとの関係から解説。女性に多い「男性型脱毛症」についてもご説明します。薄毛のケア方法や薄毛の方におすすめの髪型もご紹介するので、薄毛に悩んでいる方はチェックしてみてください。
この記事の監修者:川崎 加織 先生
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本抗加齢医学会専門医。
「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。
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■薄毛になってしまう原因とヘアサイクルの関係性
ヘアサイクルは「成長期」「移行期」「休止期」の3つに分かれており、薄毛は成長期が異常に短くなってしまうことにより引き起こされます。1日に50本から100本の髪は自然脱毛するので、それ以上抜けている方は薄毛を疑った方が良いでしょう。
そもそも薄毛になってしまう原因は、以下の4つ。どれが自分に当てはまっているか、確認してみましょう。ただし、原因は1つだけではないことがあります。
● 血流の悪化
日々のストレスによって血流が悪化し、健康な髪を生やすために必要な栄養や酸素が運ばれなくなってしまうことにより薄毛になります。また、成長などによって頭皮が突っ張ってしまい、血流が悪くなることも。
● 女性ホルモンの減少
女性ホルモンにはヘアサイクルを整える作用があります。食生活の乱れによって女性ホルモンが減少すると、髪が抜けやすくなって薄毛の原因に。
● 皮脂の過剰分泌
油分の多い食べ物を摂取すると、皮脂が過剰に分泌。皮脂が多すぎると毛穴が詰まったり皮膚に炎症が起こったりと頭皮トラブルの原因になり、薄毛を引き起こします。
● 遺伝
遺伝的に男性ホルモンに影響される感受性を持つ人がいます。男性ホルモンが多いと髪の毛を増やす細胞の活動が抑制され、新しい髪の毛が生えにくくなり、薄毛を招くのです。
■女性の薄毛に多い「男性型脱毛症」とは?
近年女性に多い男性型脱毛症。通常男性に起こる男性型脱毛症と区別して、女性型脱毛症とも言われている病気です。女性は生え際の後退よりも頭頂部の毛が細く、薄くなる傾向にあり「分け目が目立つ」という理由で気付くことが多いようです。
ホルモンバランスの乱れによって引き起こされることが多く、特に更年期以上の女性に起こりやすいのが特徴。閉経によって女性ホルモンの分泌が減少し、男性ホルモンの影響を受けやすくなってしまうのです。
産後の抜け毛のようにある日いきなり抜け始めるのではなく、徐々に薄毛が進行していくのも特徴。だんだんと髪が細くなっていくので、気付いたときには薄毛がある程度進行している……という事態に陥りやすい病気でもあります。
■薄毛ケアをおこなってボリュームヘアを目指しましょう
「1度抜けてしまった毛は戻ってこないので、薄毛になってしまったら諦めるしかない。」と思う必要はありません。しっかりとケアをおこなえば、今よりもふんわりとボリューム感を出すことも望めます。ここではケア方法を日常生活とヘアアレンジに分けてご紹介します。
◇日常生活のなかでできる薄毛ケア
毎日の生活を送る上でもできる薄毛ケアは多くあります。どれも簡単にできるものばかりなので、以下をチェックして実践してみてください。
● 質の良い睡眠をとる
睡眠不足は頭皮の血流を悪化させるので要注意。髪の毛を生やす成長ホルモンが分泌される睡眠時間は、しっかりとるようにしましょう。
● 栄養バランスのとれた食事をとる
上述したように、油分の多い食べ物は薄毛の原因になります。髪の毛を作るための栄養を意識してとることで、健康的な髪に繋がります。
● 飲酒と喫煙をひかえる
飲酒も喫煙も、どちらも髪の毛を細くして抜けやすくする場合があります。
● 有酸素運動をする
有酸素運動は血行促進効果があります。脱毛作用のあるジヒドロテストステロン(DHT)の排出もするので、一石二鳥と言って良いでしょう。
● 紫外線対策をする
紫外線は頭皮の乾燥を招き、頭皮にダメージを与えます。乾燥した頭皮は皮脂の分泌を積極的におこなうので、結果として皮脂の過剰分泌に繋がることも。
● ストレス解消をおこなう
ストレスは血行不良に直結しますし、ストレスによる食欲不振で栄養が不足してしまう事態にもなり得ます。
生活バランスを整えて適度な運動をする健康的な生活を送ることで、健康的な髪の毛を目指しましょう。
◇薄毛が気になる方におすすめの髪型3選
上でご紹介した方法は、あくまで毎日ケアをすることで長期的に変化が望める、というもの。即効性はないため、現在薄毛が気になる場合しばらく悩みは続くでしょう。そこで、今できるおすすめの髪型が以下のようなものです。
● 長さはショート~ミディアムの髪型に!
● スタイリング剤やドライヤー、パーマなどを利用してエアリーな雰囲気に
● 襟足はタイトにまとめることで、逆三角形を意識する
美容院などでもこのようなオーダーや相談をすると楽ちんです。
髪型が決まったところで、ドライヤーによるボリュームアップをおこないましょう。以下の手順でおこなえば、薄毛によってぺたんとなってしまう髪もボリュームアップできるでしょう。
● 分け目をつけず、髪の根元から立ち上げるようにしてドライヤーを当てる
● つむじまわりはカーラーやアイロンで仕上げる
■まとめ
加齢などによって気になり始める薄毛ですが、ストレスや生活習慣の乱れによっては20~30代の若い世代であっても悩まされることがあります。薄毛の原因は様々ですが、「男性型脱毛症」という病気の可能性もあるので、医師に確認して正しい原因を知ると良いでしょう。
今回ご紹介した薄毛ケアの方法は、個人差もあり、即効性のあるケア方法とは言えませんが生活習慣など見直してみると変化を感じるかもしれません。あとはスタイリング方法や髪型などで工夫して薄毛が目立たないようにすることも大切です!