だんだんと頭頂部の薄毛が目立ってきた……なんて悩んでいる方は多いのではないでしょうか？頭頂部に限らず、全体的な毛量が足りない……という方も多いでしょう。しかし、市販されている薄毛ケアの商品だけを利用していて大丈夫なのか、不安に思う方は多いはず。

そこで本記事では、正しい薄毛ケアについて紹介します。薄毛で悩んでいる人の現状から、正しい保湿ケアの方法やおすすめマッサージ方法も3つご紹介するので、薄毛に悩んでいる方、どのようなケアをしたらいいのか迷っている方はぜひチェックしてみてください。

 

この記事の監修者：川崎 加織　先生

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士　日本皮膚科学会専門医　日本抗加齢医学会専門医。
「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。

■薄毛に悩む人の現状について

全国薄毛リスク調査を元に、薄毛に悩む人の人数や薄毛ケアの実態を紹介します。髪に悩んでいる人が意外と多いということや、一般的な薄毛ケアに割いている時間、かける金額などを知って、参考にしてみてください。

◇現在の髪に満足していない割合

自分が髪に悩んでいるとき、周囲の人は悩んでおらず、悩んでいるのは自分だけなのではないか……と思ってしまいがちです。でも実は現在の髪に満足している人の割合はわずか22.4％。なんと約5人に1人しか満足していないという調査結果もあります。

意外と周りにいる人のなかでも満足している人はごくわずかなんですね。自分が髪に悩んでいることを打ち明けたら、共感してもらえる可能性は大きそうです。自分1人で悩みを抱え込むのではなく、勇気を出して話してみるのがおすすめ。悩みによるストレスの解消ができたり、自分では知らなかったケアの方法を教えてもらえたりするかもしれません。

◇薄毛に不安を感じている割合

現在の髪に満足していたとしても、将来的に薄毛になるのでは……と不安に感じている方は多いです。その割合は、なんと44.9％。全体のおよそ半数にまで及びます。

その理由は様々で、代表的なものは以下の4つ。どれも身近にある理由で不安に思っている方が多いことが分かるでしょう。

● 親が薄毛のため、遺伝で薄毛になりそうだから
● 度重なるブリーチなどによる髪染めや、パーマなどで髪の毛を酷使しているから
● 仕事や家事、育児によるストレスが溜まっているから
● まだ20〜30代と若いのに、抜け毛がたくさんあるから

◇薄毛ケアに割いている時間

将来的に薄毛になるのでは、と不安に思っている方が多いということは、薄毛ケアにかけている時間も多いはず、と思われがちです。ですが、実際はケアに割いている時間はとても短く、そもそも薄毛ケアをしていない人の割合が18.2％。ケアをしていたとしても5分未満という人は37％なので、薄毛ケアをしていない人と5分未満しかしていない人の合計は過半数を占めています。

つまり、薄毛になることを不安に思っていても、そこまでケアはしていないということ。ただ不安に思うだけで適切な対策をしていなければ結果は変わらないので、現在の髪に満足していない人が多いのも納得でしょう。

◇薄毛ケアにかける金額

上述したように、半数以上の人が5分未満しか薄毛ケアをしていません。かける金額も少なく、75.7％の人が1ヶ月にかける薄毛ケアの金額が1,000円未満となっているようです。

もちろんお金をかけることがすべてではないですが、悩みを持つ多くの方が安いシャンプーやヘアケア商品を使っている可能性が高いと言えるでしょう。とくに安価なヘアケア商品は、逆に頭皮にダメージを与えてしまうこともあります。お金をかければかけるほど効果が得られるわけではありませんが、頭皮を労り、環境を整えることはどんな悩みに対しても大切な基礎ケアになります。

■正しいシャンプーから保湿までの流れ

たとえば髪1本1本にハリコシがなく、元気がないために全体のボリューム感が出ないという場合には、基本的な頭皮ケアから始めるのもいいでしょう。
毎日するシャンプーが疎かになっていると汚れの蓄積などで髪が健康に育たないことがありますので、まずは正しいシャンプー方法をおさらいしてみましょう！
また必要に応じて保湿にも気をつけてみてください。

1. 37〜39度のお湯で頭を良く洗い流す
2. シャンプーを適量手に取り、手の上で泡立てる
3. 泡立てたシャンプーを毛先につけて、さらに泡立てる
4. 泡を頭皮につけ、指の腹でやさしく頭皮を洗う
5. 最低3分以上かけてしっかりとすすぐ
6. 髪の毛を軽くたたくようにしてタオルドライする
7. 襟足からドライヤーをかけていく
8. 全体が乾いたら冷風で仕上げる
9. 頭皮に保湿剤をつける

保湿剤には様々なタイプがありますが、パラベンの入っているものは頭皮トラブルの要因となるので要注意。しかし天然由来成分のみでできているものは長期保存ができないなどのデメリットもあるので、商品の用法・用量を必ず守って使用するようにしましょう。

■おすすめマッサージ方法を3つ紹介します

健康な髪を生やすためには、血流を良くするマッサージもおすすめ。ここでは、3つのマッサージ法をご紹介します。

● 手のひらで小さく円を描くようにしながら、頭全体をもみほぐす
● 両耳付け根に指を置いて上に上がり、両指が交わる頭頂部を指圧。頭頂部から指２本分左右斜め前にあるポイントもマッサージします。必ず左右同時にもみほぐしましょう。
● フェイスラインの生え際から、円を描くように頭皮を動かす。指1本分ずつずらしながら、頭全体をおこないましょう。

頭皮が乾いた状態でおこなってもよいですが、育毛剤を塗布してからマッサージするのがおすすめ。育毛剤が浸透しやすくなり、より効果を得られます。

■まとめ

薄毛に悩んでいる人は数多くいますが、ケアをしている人はごく少数。ケアをしていても、適切ではないケアをしている人も多いです。薄毛に必要なのは、シャンプーをしっかりすすぐことや保湿をおこなうこと。血流を改善するマッサージをするのも有効です。そのうえで育毛剤やその他のケアも検討してみるのがよいでしょう。