鏡で自分の顔を見てみると、ファンデーションで隠したはずのシミが隠せてなかった…そんな経験はありませんか?
若いころはすぐに隠せたのに…と年齢を感じてがっかりしますよね。
シミには種類があるので、30代以降から気になるシミは若いころのシミとは違うかもしれません。
そのうえ、シミの種類によって原因も違うので、対策法も変わってきます。
今回はシミに悩む女性のためにシミの種類や原因、簡単なケア方法などをご紹介します。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■肌にできるシミの種類と主な原因とは
一般的によく知られているシミは、肌に紫外線などのダメージが加わって発生するものですよね。
でも実は、そのほかにも種類があり、それぞれに発生の原因や特徴が違います。
◇老人性色素斑
老人性色素斑はシミの中で一番メジャーなもので、大きさはさまざま。
紫外線を浴び続けることで受けたダメージや、そのほかの外的刺激が原因となり、発生することが多いです。
個人差はありますが、30代ぐらいから発生し始めて、年月をかけて少しずつ大きくなったり、濃くなったりもします。20代くらいからできる方もいます。顔のどこにでもできるタイプのシミですが、比較的、こめかみや頬の外側などにできやすいです。
◇肝斑
10代後半から発症する頻度の高い色素斑のひとつに肝斑があります。
肝斑の形や輪郭は曖昧で、頬に薄い赤~灰褐色のモヤっとしたシミが、左右対称に広がるのが特徴。
妊娠後期や更年期に悪化しやすく、突然現れるケースも。
原因は外的刺激や女性ホルモンに関係していると考えられていて、時間が経つごとに、肝斑の色の濃さや大きさが変わることもあります。
◇雀卵斑(そばかす)
雀卵斑(そばかす)は、1mm~数mm大の褐色斑が両頬などに散在した状態のシミで、子供のころからの発症が多く、色白で肌が乾燥しやすい女性に多い傾向です。
基本的には、目の下から鼻のあたりに広がりますが、顔全体や手、背中にまで広がる人も。
雀卵斑ができる主な原因は遺伝ですが、濃くなるきっかけは紫外線だといわれています。
◇くすみ
くすみは肌全体の透明感があまりなく、明るさのない状態です。
紫外線や乾燥などの刺激によって、肌のターンオーバーが乱れることで発生します。
くすみのある肌は見た目に影響するだけでなく、乾燥してゴワゴワした肌になることも。
◇ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、3mm程度の均一な大きさのツブツブが頬あたりに広がる灰褐色っぽいシミで、肝斑と同じような場所に出やすく、遺伝により発生する傾向もあります。
思春期~20代に発生することが多く、メラニン色素が角質層よりも奥の真皮層に存在しているので、レーザーなどを使った治療が必要なことも。
■シミの種類によってはセルフケアで改善しづらいものも…
すべてのシミが、セルフケアで薄くなるとは限りません。
シミの種類によって原因や色素の状態などが違うので、改善しやすいものと改善しにくいものがあります。
色素沈着の状態が薄いシミやくすみは、美白効果がある化粧品で、ある程度は薄くできることもあります。ですが、色素が沈着した状態や、メラニン色素が肌の真皮層に存在しているADMの場合はセルフケアが難しいので、皮膚科や美容皮膚科などの医療機関の治療がおすすめです。
皮膚科や美容皮膚科では医師の処方のもと、ハイドロキノン軟膏やビタミンC配合のローションを使用することもありますが、シミの状態によってはレーザー治療も行います。
■肌のシミを薄くするセルフケア方法
シミは、紫外線を浴びたことでメラニンが肌に蓄積して発生することが多いので、これ以上、メラニンが肌に蓄積されないようにするためには、肌の乾燥を防ぐことがポイント!
肌が乾燥していると、バリア機能が低下して外からのさまざまな刺激を受けやすくなるので、それを防御しようと角質層が分厚くなりがちです。すると、次第に肌のターンオーバーが滞ってしまい、蓄積されたメラニンの排出が難しくなります。
これを防ぐためには、肌をしっかりと保湿しましょう!
それでは、シミを薄くするためのスキンケアをご紹介します。
1.化粧水を適量、手のひらに取ります。
2.そのまま顔全体を押さえるようにして、化粧水を浸透させていきます。このとき肌に刺激を与えないように、顔を叩かないように気をつけましょう。
3.化粧水をつけたあとの乳液やクリーム、美容液は、乾燥している部分を中心に優しく重ね塗りします。
■シミを増やさない、濃くしないための予防法
シミをこれ以上増やさない、濃くしないための予防法でおすすめしたいのが、紫外線対策と食べ物による対策。
日常生活で少しずつ取り入れて、習慣として取り組めるといいですね!
◇紫外線対策
紫外線対策の基本は日傘や帽子、日焼け止めクリームを使用すること。
天候に関係なく、できる限り日焼け対策をすることでシミの悪化を予防できます。
◇食べ物による対策
食べ物はバランスよく取るのが基本ですが、特に大事なのがタンパク質、ビタミンC、Eです。
・タンパク質
タンパク質は肌を構成する栄養素なので、とても大切な存在です。
タンパク質は肉類や魚介類、卵類、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。
・ビタミンC
シミ予防に効果的な抗酸化作用、美白効果が期待できるビタミンです。
レモンなどの柑橘類、トマトやキャベツなどの野菜に多く含まれています。
・ビタミンE
ビタミンCと同じく、シミ予防に効果的な抗酸化作用を持つビタミンで、肌のターンオーバー促進にも役立ちます。ナッツ類やかぼちゃ、うなぎなどに多く含まれています。
■まとめ
シミにはいくつかの種類がありますが、原因や症状が違うので、セルフケアで薄くできるシミもあれば、できないシミもあります。
今回ご紹介したような保湿や紫外線対策、バランスのいい食生活などがシミ対策になるので、簡単に取り組める方法でシミ予防をしていけるといいですね!