体質的に乾燥肌の人はもちろん、季節の変わり目や生理サイクルなどで部分的に肌が乾燥してしまう人もいるでしょう。
30歳を過ぎてからはスキンケアのなかでも、「保湿ケア」を意識することが大切です。特に、乾燥肌で悩んでいる人は、「高保湿」のスキンケアがきちんと出来ているかがポイント。
今回は、「高保湿スキンケア」とその方法についてまとめました。おすすめの保湿ケアアイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■乾燥肌の原因は?
乾燥肌とは、肌の水分量や皮脂量が不足した状態です。
以前は、空気が乾燥しやすい秋から冬にかけて起こりやすい肌の悩みでしたが、現在ではどこにでもエアコンがあることが当たり前となり、一年中その皮膚症状に悩む人が増えています。
◇ターンオーバー(肌代謝)の乱れ
原因のひとつとして挙げられるのが、ターンオーバー(肌代謝)の乱れで、30代~40代の肌に多くみられます。
通常、肌は約28日周期で生まれ変わり、不要になった皮膚は剥がれ落ちますが、このサイクルが乱れてしまうと、不要になった皮膚が剥がれ落ちずに蓄積されてしまいます。逆に、肌の潤いを守る角質層が剥がれ落ちてしまうということも。
ターンオーバーの乱れで肌の表面が乱れてしまうと、肌の潤いがなくなって乾燥してしまい、かゆみなどの症状も出てしまいます。
この症状が進行すると、アレルゲンや化学物質などの刺激によって肌荒れが起こる恐れもあります。
◇紫外線
通常は紫外線を浴びたとしても、表皮や角質層による反射やメラニン色素などで肌への侵入を防ぐことができます。しかし紫外線を浴びすぎると、角質層などが肌を守ろうとして過剰に反応してしまい、角質層が厚くなる「角質肥厚」という状態になります。
この「角質肥厚」になると肌の表面はキメが荒くなり、水分が蒸散しやすくなって乾燥してしまうのです。
◇隠れ乾燥肌ということも…
カサつくという症状がなく、肌表面はしっとりしているという人でも、毛穴の開きがひどい場合や、部分的な肌のベタつきが気になるという場合は「隠れ乾燥肌」という可能性もあります。
隠れ乾燥肌は、肌の乾燥を抑えるために皮脂が過剰に分泌されている状態です。この乾燥が起こる主な原因は、加齢によって水分などをキープする役割を持つ「セラミド」が少なくなってしまうことにあります。
■それはダメ!間違いだらけのスキンケア
そんな乾燥肌を「強めてしまう」スキンケアがあることをご存知でしょうか?
いくつか紹介しますので、ご自身のスキンケアに当てはまるかチェックしてみましょう。
◇さっぱり系の基礎化粧品のみを使用
ベタつき皮脂や毛穴が気になるために、引き締め効果が高いさっぱり系の化粧品を使っている人は要注意です。
「さっぱり」の正体は、化粧品に含まれるエタノールの揮発による気化熱であることが多く、肌に必要な水分も奪っているので、皮脂の過剰分泌といった悪循環が起こっているケースも。
◇メイクオフはメイク落としシートだけ
短時間でメイクオフが完了する「メイク落としシート」は、夜遅い時間の帰宅などでも簡単に使えます。けれど、シートで肌をゴシゴシこする行為は、肌に必要な角質を取り去ってしまうことも。
また、落としきれなかったメイクや、メイク落としの保存料などが肌に残ったままだと炎症や乾燥肌の要因となります。
◇オイルクレンジングにも注意
フルメイクでもしっかり落とせるオイルクレンジング。オイル成分のとろみが肌になじみやすいので、愛用している人も多いのではないでしょうか。
しかし、オイルクレンジングは洗浄力が強いので、肌に必要な皮脂も奪われてしまうことがあります。また、肌に残るオイルをとるためにダブルクレンジングをすると、さらに肌への負担がプラスされ、乾燥肌の原因になる場合があります。
しっかりメイクの日、軽いメイクの日とクレンジングを使い分けるもの手です。
■エイジング世代が行うべき高保湿スキンケアの方法
先ほど紹介したように、「隠れ乾燥肌」は加齢による肌の乾燥も考えられます。そのため、エイジング世代に差し掛かったら、「高保湿」を意識したスキンケアを実践してみるのがおすすめ。
◇石鹸成分で洗顔・肌の潤いを守ろう
メイク落としや洗顔料は、オイルを鹸化させて作られた石鹸ベースのものだと肌の潤いを損なわず、汚れがきれいに洗い落とせるのでおすすめです。ダブル洗顔が不要で、肌に負担がかからない処方の洗顔料であれば、朝晩と気軽に使用することができます。
また、リキッドタイプや泡で出てくるタイプなど「使いやすさ」も視野に入れていくと、リピートしやすいですね。
◇肌の奥へ浸透しやすい化粧水を使おう
「高保湿処方」の化粧水はたくさん市販されています。けれど、肌の表面でベタつくだけ…と感じたことはありませんか?
保湿効果は、肌の奥に成分が届いて初めて発揮するものです。例えば、美容成分と結びついて肌への吸収や浸透を促す「フルボ酸」などの成分が配合された化粧水であれば、肌の内側からふっくら感がよみがえりやすいといった、技術面でも浸透力の高いものを選びましょう。
◇100%天然由来など、ナチュラルな基礎化粧品
石油系界面活性剤や合成された防腐剤など、化粧品には肌の乾燥を促す成分が含まれたものも多くあります。
少しでも肌に負担をかけずに保湿をしたいのであれば、100%天然由来などで作られた基礎化粧品シリーズを選んでみてもよいでしょう。
◇スペシャルな保湿ケアアイテムも併用しよう
保湿ケアをしていても肌がカサつく…と感じるときもあるはずです。
そんなときは、植物由来のスクワランオイルベースの保湿エッセンスなど使用してみましょう。
■まとめ
すでに悩んでいるひとも、自分では乾燥とは無関係と思っている人も、加齢とともに乾燥肌は進んでいきます。気づかないうちに「隠れ乾燥肌」になっていたという場合もあるでしょう。
「高保湿」をキーワードに基礎化粧を見直すことで、肌のふっくら感がよみがえり、乾燥によるカサつきやかゆみなども解消することが期待できます。
ぜひ、今回紹介したアイテムなどもプラスしながら、保湿ケアを行ってみてくださいね。
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