これまでと変わらないスキンケアをしているのに、肌にハリがなくなってきたり、乾燥が気になってきたりと、肌トラブルで悩んでいる40代の方は多いのではないでしょうか?実は、40代は肌が大きく変化する時期になります。肌変化に伴いスキンケア方法も変えていく必要があるんです。
そこで本記事では、40代からでも出来るスキンケア方法をご紹介します。40代で肌トラブルが増加する原因から、おすすめのマッサージや食事での注意点もあわせてご説明します。肌の変化やトラブルに悩んでいる40代の方は、ぜひチェックしてみてください。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
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■40代で肌トラブルが増える原因とは?
そもそも40代で肌トラブルが増えてしまう原因は、大きく分けて2つあります。ここでは、それぞれどのような影響があるのかご説明します。
◇女性ホルモンの減少
1つ目の理由は、女性ホルモンの減少です。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。両方ともにお肌に関係する大事なホルモンで、2つのホルモンのバランスによって、肌は変化してきます。ホルモンには肌のハリや潤い、弾力を維持するために大切なコラーゲンを増やす役割もあり、年齢肌には大切なホルモンです。
女性ホルモンは生理前後で分泌量が増減しますが、実は女性ホルモンの分泌は30歳前後がピークで、それを過ぎると減少の一途を辿ります。40代後半になると閉経が近づくため、女性ホルモンの分泌量は急激に減少します。その影響によって乾燥やたるみなどの肌トラブルが頻発するようになるのです。
◇保湿因子の減少
2つ目の理由は、保湿因子の減少です。保湿因子とは肌の潤いを保とうとするもののことで、以下の3つがあります。
● 皮脂膜
皮脂というと「テカリ」というイメージが強く、あまり良いものとして認識されていないことが多いですが、実は“天然の保湿クリーム”と言われているほど保湿力のあるものです。肌の潤いを保つと同時に肌を柔らかくしたり、肌のバリア機能とさまざまな役割があるのですが、加齢とともに失われやすくなってしまいます。
● 角質細胞間脂質
角質細胞間の隙間を埋める役割をしているのが角質細胞間脂質になります。水分と油分が交互に重なっている“ラメラ構造”をしており、肌の保湿とバリア機能に大きく貢献しています。こちらも年齢とともに減少するので、スキンケアでの補充が必要です。
● 天然保湿因子(NMF)
角質細胞が有している天然保湿因子は、その名の通り水分を保持する役割があるものです。歳をとるとともにその数は減少していくので、乾燥しやすくなってしまいます。
■40代から見直したいスキンケア方法
若い頃から年齢にあったスキンケアを欠かさずおこなう、というのが理想ですが、そうではない方も多いのではないのでしょうか。
ここでは、40代になってしっかりとケアを始めようと考えている方におすすめのスキンケア方法を3つご紹介します。
◇洗顔方法
毎日おこなっている洗顔も、方法を間違えば肌トラブルの原因となります。正しい方法で洗顔をおこない、綺麗な肌を目指しましょう。正しい洗顔の手順は以下の通りです。
1. 手を洗う
2. 顔をぬるま湯で洗う
3. 洗顔フォームをしっかりと泡立ててから優しく洗う(皮脂の多いTゾーンから洗い始めましょう)
4. ぬるま湯で20〜30回しっかりと洗い流す
5. 清潔なタオルで押し当てるようにして水分を拭き取る
ここで注意したいのが、ごしごしと肌をこすらないということです。肌をこすると皮脂が取れすぎてしまい、必要な油分も落ちてしまい乾燥を招いてしまいます。
また、洗顔をおこなうのは朝と夜の2回を目安にし、それ以上はおこなわないようにしましょう。
◇肌に合った基礎化粧品を見つける
「40代になったのだから、値段の高い基礎化粧品を使おう」と日頃からケアをしている方もいるでしょう。しかしいくら値段が高い化粧品でも、自分の肌に合っていなければ意味がありません。
「良い化粧品」とは、自分の肌が本来持っている力を引き出してくれる化粧品のことです。以下のポイントを参考に、肌の免疫力やターンオーバーを整えてくれる基礎化粧品を選びましょう。
● 天然・自然由来の成分が多く含まれている
● 自分自身でパッチテストをおこなって異常がない
● テクスチャーや香りが自分好み
● 値段や広告に惑わされない
◇保湿を入念におこなう
前述したように、40代からは女性ホルモンや保湿因子が徐々に減少していきます。ケアをせずに放っておくと、肌の水分量がどんどん減っていってしまうということになります。肌の水分量が減ると乾燥するだけではなく、肌のたるみにも繋がります。
潤いやハリのある綺麗な肌を手に入れるためには、減少した水分量を化粧品で補いましょう。効果的に保湿するには、以下の手順で保湿するのがおすすめです。
1. 優しく化粧水をつける
2. 保湿成分が配合された美容液をつける
3. 乳液や保湿クリームを肌に膜をするイメージでつける
■40代におすすめ!スキンケアマッサージと食改善
洗顔や基礎化粧品、保湿方法を見直しても、なかなか改善が見られない…という方におすすめなのが、スキンケアマッサージと食事の改善です。
フェイスラインや首、目元などを押してリンパの流れを改善するリンパマッサージや、ほうれい線を目立たなくするためのマッサージがおすすめです。ただし、強くひっぱったり押したりすると肌が傷ついてシワやたるみが悪化してしまいます。必ず優しく触れるようにしましょう。
また、若い頃と同じ食生活をしていては、エネルギーの過剰摂取で肌トラブルを招いてしまいます。腸内環境を整えるために発酵食品や食物繊維をしっかりと摂り、ご飯を雑穀米に変えるなどしてミネラルやビタミンを積極的に摂るようにしましょう。
■まとめ
女性ホルモンの分泌量に急激な変化が訪れる40代は、肌トラブルは起きやすい時期。しっかりとスキンケアをおこなっていないと、乾燥やたるみなどに悩まされてしまいます。決して値段の高い基礎化粧品を使う必要はなく、自分の肌に合ったものを選ぶのが重要です。
スキンケアマッサージや食事の改善なども並行しておこないつつ、正しい洗顔方法で保湿をしっかりとおこない、40代でも綺麗な肌を目指しましょう。今回ご紹介した方法を参考にして、ぜひ実践してみてくださいね。