一日の生活で一番のリラックスタイムとなる「お風呂タイム」。
あなたはいつ入浴していますか?
中には食後すぐの時間に入浴する人もいるのではないでしょうか。
食後すぐの入浴が、体にいいことなのか、悩みどころですよね。
また、お風呂に入ることで「美しく」を目指す場合、入浴するときは食前と食後どのタイミングがベターなのかをご紹介したいと思います。
お風呂タイムを「キレイづくり」の時間に変えていきましょう!
この記事の監修者:田嶋 美裕 先生
循環器内科医。狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などの循環器疾患のほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病全般の治療に携わる。女医+(じょいぷらす)所属。
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■食後すぐにお風呂に入るのはなんでダメなの?
一般的には「食後すぐにお風呂に入ることはよくない」と言われますが、それはどういった理由からでしょうか。
まずは、食事をしたときと入浴したときの血流について、見ていきましょう。
食事をすると、食べたものを消化するために胃腸が活発に動き、このとき胃腸を動かすために血流が胃腸へ集中します。そして、入浴をしたときは体表面の血管が拡張して血流が増加します。
このことから考えると、食後すぐに入浴をした場合には体表面の血流が増加してしまい、胃腸の消化活動のための血流が少なくなります。
それによって胃腸の動きが悪くなり消化が遅くなるため、食後すぐの入浴は避けたほうがいいと考えられているのです。
■食後でもお風呂に入りたい!どれくらい時間をおけばいい?
食後は副交感神経が優位となり、血圧が下がりやすくなります。
そのため、この状態でお風呂に入ると、体表面の血管が拡張して、さらに血圧が下がり、めまいが起こったり、体調を崩してしまうことがありますので、しばらく時間を置くことが大切です。
◇入浴は、食後2時間ほど経過してから!
食後は2時間以内に血圧が低下するといわれていますので、血圧が落ち着く食後2時間後からがいいでしょう。
時間をおくことで、食後に感じられた「満腹感」もほどよく落ち着きますので、お風呂の中でもゆったりとした気分を実感できるはずです!
■お風呂に入るのは食前のほうがおすすめ!
これまでお伝えした理由から、お風呂に入るのは食後よりも食前のほうがいいことがわかりました。では、食前に入るお風呂では、どんなメリットがあるのでしょうか。
まず、メリットのひとつに、「食欲抑制効果」があります。
入浴すると、血流の流れは体表面の増加に集中するので、胃腸の動きが鈍くなります。これによって胃液の分泌も抑えられるので、食欲が抑えられ、空腹を感じにくくなるようです。
また、食後よりも食前の入浴のほうが、胃腸が動いていない分、体の緊張がほぐれやすくリラックスでき、ボディメイク効果も得られやすくなるのだとか。
体が温まることで発汗し、脂肪が燃焼しやすい状態になっていきますので、お風呂に入りながらのストレッチや、体の気になる部分をもみほぐしてみることもおすすめです。
入浴後に食事をする場合は、時間をおいてからがベスト。胃腸の動きを優先させ、消化を助けるために、入浴して30分後ぐらいの体のほてりが落ち着いたころなどを見計らってからにしましょう。
■食前・食後のお風呂に関する注意点
食前に入浴したほうがいいとお伝えしましたが、人によっては空腹時の入浴で体調を崩すこともあるようです。なので、極度に空腹状態な場合の入浴は避けることをおすすめします。
また、ここでは「食後の入浴は2時間程度経過してからがよい」とお伝えしましたが、飲酒に関しても同じく、お酒を飲んだあとの入浴は控えましょう。
お酒を飲む場合には、お風呂あがりのリラックスした状態で、2時間程度経過してから食事と一緒にお酒を飲むといったリズムをつくることもいいでしょう。
◇お風呂に入るためのベスト時間もある!
人の体温には1日のリズムがあります。就寝中に体温が低くなって、早朝から夕方にかけてどんどん体温が上昇し安定していき、また就寝に向けて体温が下がっていくというリズムの繰り返しです。
このリズムの中で、人間の体温が一番安定する時間帯は夕方から夜、時間にして16時~19時ごろ。この時間帯にお風呂に入ることで、体に負担をかけることもなく体を温めることができます。15時ごろに軽くおやつを食べて、晩御飯の前にお風呂に入るということを考えると、この時間帯はベストかもしれませんね!
■まとめ
お風呂の時間をつかってボディケアをしてキレイになりたい!と、いろいろな方法を試す方も増えていますが、入浴の「タイミング」を見計らうことで、キレイづくりがもっと有効になるかもしれません。
お風呂に入ってキレイになるためには、食前の入浴がおすすめですが、食後の入浴の場合は、2時間程度の時間をおいてからがいいようです。
体のことも考えて、負担のない入浴をしてくださいね。