シミ・くすみ・肌荒れなどの肌トラブルは化粧ノリを悪くするだけでなく、見た目年齢ぐっと引き上げてしまうネガティブなサイン。
とくに30代以降トラブル知らずの美しい肌は、日々のスキンケアなくしては作り上げることが難しくなるかもしれません。
そこで、あらためて効果的なスキンケア方法について確認しておきましょう。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■スキンケアのNG行為とは?
毎日ちゃんとスキンケアはしている!と思っていても、間違った方法でのお手入れがシミ・くすみ・肌荒れの原因になっているかもしれません。そればかりか、敏感肌や乾燥肌を慢性化させてしまい、リカバリーが難しくなってしまうことも。
スキンケアでやってしまいがちな間違いには、主に2つあります。
◇肌をこすりすぎてしまう
メイクを落とすとき、タオルドライするとき、クリームを塗るとき、セルフマッサージをするときなど、ついつい力が入っていませんか?
摩擦によって角質層に傷がつくと、肌が本来持つバリア機能や保湿能力が低下してしまいます。さらに、余計な力が加わって肌がストレスを感じると、皮膚内で色素が過剰に生成され、シミができやすくなります。
◇洗いすぎてしまう
汚れや古い角質をきれいすっきり洗い流そうとするあまり、高い頻度で洗顔をしたり、高温のお湯(40℃以上)で洗い流したり、スクラブを使用しすぎるのもNGです。
潤い維持に必要な皮脂までをも落としてしまい、乾燥が進んでしまいます。
以上のNG行為に心当たりがあったら、今すぐスキンケアの方法を見直しましょう!
■トラブルから肌を救うスキンケアの3つの基本ステップ
◇ステップ1:洗顔は朝晩2回が理想
肌を常に清潔に保つことは重要ですが、あまり頻繁に洗いすぎると肌を乾燥させてしまうので、洗顔は一日3回以内にすることが理想です。
また肌のザラつきが気になるときに使用する方も多いスクラブですが、週に1回程度でも充分効果があるので使いすぎないようにしましょう。
そして、タオルドライは拭き取るのではなく、優しくタオルを顔に当てて水分を吸い取らせるイメージで行いましょう。
◇ステップ2:たっぷりの化粧水で肌を整える
洗顔後は出来るだけ、5分以内に化粧水をつけましょう。
時間がないときは、ひとまず吹きかけるのにスプレータイプが便利!
乾燥は、シミ・くすみ・肌荒れを引き起こす諸悪の根源ですが、肌がしっかり潤っていれば、バリア機能は高まり、肌のターンオーバーもスムーズになります。
たっぷりの量の化粧水を肌に浸み込ませるのが効果的ですが、力強いパッティングは禁物。
そして化粧水は、角質細胞の水分維持を担うNMF(天然保湿因子)に近い働きをするアミノ酸・グリセリンや、保湿をサポートするヒアルロン酸・コラーゲン・セラミドが含まれているものも良いですね。
◇ステップ3:悩みに合わせて有効成分を選んでみる
濃厚なテクスチャーのクリームか、さらりとした肌触りの乳液かを選ぶのは、それぞれの好み次第ですが、こだわりたいのは成分です。
10代や20代、30代では皮膚の状態は同じではなく、肌が求めているものも異なりますので、質の良いお手入れを実現するためには、年齢と肌質にマッチしたスキンケア用品を選ぶ必要があります。
成分表示にじっくり目を通し、配合されている成分にこだわって選びたいものです。
例えば、エイジングケアがしたいならレチノール(ビタミンA)・ビタミンC誘導体・コエンザイムQ10、シミ対策がしたいならアルブチン、プラセンタエキスなどを考えてみるのはいかがでしょうか。
■肌質別のスキンケアのポイントは?
肌質は主に4タイプに分けることができます。朝起きたときの肌の状態を、セルフチェックしてみましょう。
・カサカサしてつっぱる感覚があれば、水分量も皮脂量も少ない「乾燥肌」
・全体的にベタッとしていたら、皮脂量も水分量も多い「脂性肌」
・カサつく部分とベタつく部分が混在していれば、水分量が少なく皮脂量が多い「混合肌」
・カサつきもベタつきも特に気にならなければ、水分量と皮脂量のバランスが良い「普通肌」
「乾燥肌」の人は、高保湿に特化したお手入れをすることが不可欠です。毎日の保湿ケアにくわえ、定期的にパックをするなど栄養分を補給し、バリア機能を高めるよう心掛けるといいでしょう。
「脂性肌」の人に必要な美容成分といえば、ビタミンC誘導体です。ビタミンCには皮脂の酸化を防いで、皮脂の過剰分泌を抑制する働きがあります。
また、濃厚なテクスチャーのクリームよりは、さらりとした乳液がおすすめです。
「混合肌」の人も、保湿に特化したお手入れが有効的です。皮脂の過剰な分泌には、インナードライが関係していることもあるので、肌の水分量が十分になれば、皮脂の分泌が正常化してキメが整いやすくなります。
「普通肌」は水分量が十分にある理想の肌です。
ただ季節の変化や加齢によって肌が揺らいでしまわないように、毎日の保湿ケア、定期的なパック、肌の状態をよく観察することは乾燥肌の方と同様に大切です。
そうすることで、トラブルに負けにくい肌をキープできます。
■まとめ
肌トラブルを回避するためには、まず日々のお手入れのNG習慣をなくすことが大切。
そして、肌に必要な栄養成分を意識的に浸透させていると、肌が本来持つバリア機能や保湿能力がアップし、年齢を感じさせない美しく健康的な肌に近づけます。
まずは自分の肌質がどのタイプなのかを知り、適切なスキンケア方法やケアアイテムを選択していきましょう。