うっかり日焼けしてしまった肌、紫外線によるシミやくすみが気になりますよね。
日差しに負けない美白肌を保つポイントは、日焼け後、なるべく早く効果的なお手入れをすることです。
今回は、日焼けが起こる原因と美白スキンケアの選び方、具体的なアフターケアの方法をご紹介します。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■日焼け後の肌はなんで黒くなるの?
日焼け症状の現れかたは、人によって異なります。同じように紫外線に当たっても、小麦色になる人もいれば、黒くならずに赤くなって戻る人もいますよね。
日焼けで肌が黒くなる原因とは、一体何なのでしょうか?
◇日焼け後の肌が黒くなるメカニズム
日焼けをすると、肌表面の細胞を守るために、「メラノサイト」という細胞が「メラニン色素」を作り出します。
メラニンは、細胞の核を覆うことで紫外線を吸収し、核を守るという大事な働きをしています。
しかし、メラニンは黒褐色をしているので、多くつくられると肌が黒くなってしまうのです。
◇黒くなる肌と赤くなる肌の差は?
肌の焼け方に個人差があるのは、メラニン色素の生成量の差が関係しています。
【日焼け後、あまり赤くならずに黒くなってしまうタイプ】
小麦色が定着し、日焼けしやすい肌です。
もともとメラニンをつくる力が強いので、日差しを浴びると防御反応が起こり、メラニンがどんどん生成されて肌が黒くなります。これにより肌を守って炎症を防いでいるのです。
このタイプの方はシミやくすみになりやすいので、しっかりとケアを行いましょう。
【日焼け後、肌が赤くなってから元の色に戻るタイプ】
日焼けはしにくいものの、赤くなり、ヒリヒリと痛みを伴う炎症を起こしやすい肌です。
これはもともとメラニンを生成する力が弱く、細胞が守られずに紫外線ダメージを直接受けてしまっていることが原因です。その結果、火傷のような症状に。
このタイプの方は、シミやしわ、たるみなどの光老化に注意が必要です。
シミやくすみの原因になる「メラニン」は悪いイメージで捉えがちですが、実は肌を守るためにつくられる、大切な存在なのです。
■日焼け後の美白ケアアイテムの選び方
日焼け直後の肌はデリケートになっているので、まずは出来るだけ早く、低刺激の化粧水などで保湿をしてクールダウンしましょう。
ほてりや赤みが落ち着いてから、美白へのステップに進みます。
◇シミ予防の美白化粧品を選ぶポイント
パッケージに「美白」と書かれていても、必ずしも有効成分が入っているとは限りません。
スキンケアは、成分表示をしっかりチェックして美白有効成分が含まれているものを選びましょう。
以下のような成分が配合されているものがおすすめです。
<代表的な美白有効成分>
ビタミンC誘導体…メラニンの生成を抑え、メラニン色素を薄くする
4MSK…メラニンの生成を抑え、メラニン色素の排出を促す
アルブチン・トラネキサム酸…メラニンの生成を抑える
美白ケアは、地道にお手入れを続けていくことが大切です。
有効成分入りのアイテムで、じっくりと肌を整えていきましょう。
◇ターンオーバーを促進するピーリング
メラニンを含んだ古い角質を除去する「AHA」や「サリチル酸」などを配合したピーリング剤は、くすみのない新しい肌へ生まれ変わるのを助けてくれます。
ピーリング成分入りの洗顔料や化粧水、塗って洗い流すだけのジェルなど、手軽に使えるものもたくさんあるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
ただし、ピーリングは肌に負担をかけやすいものもあるので、それぞれの製品に記載された使用間隔を守って使いましょう。
古い角質が剥がれたピーリング後の肌は、有効成分が肌に浸透しやすくなっているので、美白アイテムでたっぷりと保湿をしましょう。
■日焼け後の肌には美白アフターケアを入念に!
からだの外側と内側、両方からの美白ケアをご紹介します。
◇シートマスク・パック
日焼け後の敏感な状態の肌へは、マスクやパックの前にあらかじめ化粧水で肌を整えておくことで、刺激を抑えられます。
また化粧水やシートマスクは、使用する前に冷蔵庫に入れておくと、ひんやりと気持ちよく使えておすすめです。
美白成分に加えて「セラミド」や「コラーゲン」、「ヒアルロン酸」などの高保湿成分配合のアイテムを選べば、クールダウンしながら美白と潤いの両方を1度にケアできますよ!
◇蒸しタオルで温めケア
炎症などが落ち着いてきたときにおすすめのプラスケアが、洗顔後、肌を蒸しタオルで温めるだけの簡単お手入れ方法です。
温まることで血行が促進され、代謝が上がります。ターンオーバーを促す効果があり、蒸気で柔らかくなった肌への化粧水や美容液の浸透もアップします。
◇食事やサプリで内側からの美白ケア
抗酸化作用があるビタミンを多く含む食品を摂る、インナーケアも効果的です。ビタミンには肌の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促す働きがあります。
<おすすめ栄養素と食材>
ビタミンAを多く含む食材…にんじんや小松菜、ブロッコリーなど
ビタミンCを多く含む食材…レモン、パプリカ、トマトなど
ビタミンEを多く含む食材…アーモンドやピーナッツ、かぼちゃなど
野菜や果物にはビタミンのほか、ミネラルや食物繊維など、肌とからだに良い成分が多く含まれているので、普段の食事でも積極的に取り入れたいですよね。
余り野菜で具沢山スープを作ったり、外食時には野菜が多く入ったメニューを選ぶなどすれば、無理なく栄養を摂取できます。
食事だけではなかなか栄養素を補いにくい場合は、サプリメントを併用するのも良いでしょう。
■まとめ
強い日差しや日常生活で浴びる紫外線で、知らないうちに日焼けのダメージは肌に蓄積されています。
もしヒリヒリするほどの炎症が起きている場合は、症状が落ち着いてから、今回ご紹介した方法を試してみてください。
事前のUV対策ももちろんですが、日焼け後の効果的なお手入れによって、ダメージを最小限に抑えることができます。
あきらめず、継続したアフターケアで美白肌への早い回復を目指しましょう!