「お風呂に入れる塩=入浴剤のバスソルト」というイメージが強いかもしれませんが、実は家にある塩を入れてもOKなのです。
塩風呂は血行促進や疲労回復、デトックス効果などがあるとされていますが、ニキビや乾燥肌のケアもできることを知っていましたか?
この記事では、塩風呂でニキビ・乾燥ケアができる理由、塩風呂の作り方、効果的な塩風呂の入り方について紹介します。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
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■塩風呂でニキビケアができる理由は?
塩風呂は保温効果が高く、発汗や血行を良くする効果が期待できます。
血行が良くなると体内の疲労物質や余分な水分が排出され、疲労回復やむくみの緩和につながります。
また、塩を入れると浮力がアップするので、筋肉がほぐれてリラックスできる効果も。塩に含まれるミネラル分はデトックス効果が高く、体内の毒素や老廃物が排出されやすくなります。
肝心のニキビケアにつながる理由は、発汗作用や新陳代謝のアップに加え、塩の殺菌・抗菌作用でニキビの菌を殺菌できるためです。発汗作用で毛穴が開いて汚れが落ちやすくなるうえに、新陳代謝の促進でターンオーバーが正常になる効果も。また、塩分が肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぐことで乾燥対策につながります。ニキビだけでなく、しっとりうるおったツルツルの美肌に近付けるでしょう。
ただし、肌に傷がある場合やニキビの症状がひどい場合、塩が沁みることがあるので注意が必要です。
■塩風呂の作り方を紹介!
ニキビや乾燥対策に効果的な、塩風呂の作り方を紹介します。
塩選びは、精製されたナトリウム塩ではなく、ミネラル分を含んだ天然塩や粗塩、岩塩を使うのがおすすめ。ミネラル分はデトックス効果につながるので、ナトリウムだけではミネラル分が足りないのです。
そのため、バスソルトを使う場合も同様に、カリウムやマグネシウム、カルシウムなどの表示があるかをチェックしましょう。スーパーで売っているブランドのついた塩はよりミネラルが豊富に含まれているため、それらを選んでもいいですね。
お風呂に入れる塩の量は、一般的な浴槽なら30~50グラム程度が適量です。毎回計量するのがめんどうな方は、大さじ2~4杯が目安になります。塩の量が多いほど身体を温める作用が高まりますが、肌に与える刺激も強くなるのでこれ以上増やさないようにしましょう。
お湯の温度はややぬるめの38~40度に設定し、かき混ぜながらしっかり塩を溶かせば塩風呂の完成です。
■塩風呂の入浴法と注意点
まずは10分ほど入浴し、一度出て身体を洗ったあと、再び10分ほどお湯に浸かるのが基本的な入浴法です。身体を洗う際は、心臓から遠い手足からリンパをほぐしながらおこなうと、デトックス効果が期待できるうえに、塩による保湿効果もアップします。
また、長くお湯に浸かれない方は、5分×2回にしてもOK。発汗作用が高いため、お湯に浸かりながら水分補給をしてもいいですね。10~20分ほどお湯に浸かったら、シャワーを浴びて身体についた塩を洗い流してからお風呂を出ましょう。
また、塩風呂に入る場合、以下の注意点があります。
・お風呂の前後に水分補給をする
塩風呂は発汗作用がとても高いので、入浴前にしっかり水分補給しましょう。一度にたくさん飲めない方は、飲み物をお風呂に持ち込んでもOKです。
お風呂上りにとても喉が渇いても、冷たい飲み物を飲むのは避けることが大切です。せっかく温まった身体を冷やしてしまうので、常温の水を飲むようにしましょう。
・20分以上の入浴は避ける
長くお湯に浸かった方が効果的と思いがちですが、20分以上の入浴は避けましょう。塩が肌に刺激を与える、汗をかきすぎて脱水状態になる、体力が消耗されてかえって疲れるなど、塩風呂がかえって逆効果となります。
・週2~3回にとどめる
塩風呂は毎日入るのではなく、週2~3回にとどめることもポイント。肌に負担がかかることで、かえって肌トラブルが起きる可能性も否定できません。
・追い炊きはしない
塩風呂を追い炊きすると、風呂釜や配管にサビが発生する原因になります。お湯が冷めてしまったら、追い炊きではなくシャワーなどでお湯を足して温度調節した方が安心です。
また、お湯を放置すると浴槽にサビが発生するので、お風呂から出たらすぐにお湯を抜き、浴槽についた塩を洗い流しましょう。
■まとめ
家にある塩をお風呂に入れるだけで、むくみケアなどのデトックス効果、浮力アップによるリラックス効果、ニキビの緩和、ターンオーバーの正常化など、女性に嬉しい効果がたくさんあります。
ただし、価格が安い精製塩はミネラル分が不足するので、ミネラル分が多い塩を選ぶのがポイント。サラサラした塩ではなく、しっとり湿っている塩を選べばOKです。塩の量は規定の範囲内を守らないと、肌に刺激となったり、浴槽を傷めたりするので要注意。
また、血行促進作用と発汗作用が高い塩風呂は、長湯をすると脱水状態になりやすいので、20分以下にとどめること、水分補給をしっかりおこなうことが大切です。汗が吹き出る感覚がやみつきになる塩風呂を、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?