子育て中、時間を問わず世話に追われていると、親の都合に合わせて赤ちゃんをお風呂に入れることが多いはず。たとえば家族が出かけて時間に余裕ができる、朝にお風呂に入れたいこともあるでしょう。
しかし、そもそも赤ちゃんを朝風呂に入れていいのか、気をつけることはあるのか、悩んだことはありませんか?
この記事では、朝風呂が可能なのか、朝風呂に入れるときの注意点、赤ちゃんをお風呂に入れるベストな時間帯について紹介します。沐浴から卒業したばかりの赤ちゃんや、お風呂に入れる時間に悩む親御さんは必見です。
この記事の監修者:武井 智昭 院長(高座渋谷つばさクリニック 内科小児科アレルギー科院長)
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経て高座渋谷つばさクリニック_内科小児科アレルギー科院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。医師+(いしぷらす)所属。
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■赤ちゃんと朝風呂は問題なし?
結論からいうと、赤ちゃんを朝風呂に入れても問題はありません。
新陳代謝が良く汗をたくさんかくので、朝と夜に両方入れてもOKです。朝風呂に入ると眠気がスッキリと覚めるので、昼間の活動量が増え、お昼寝しやすくなるメリットも。ママも一緒にお風呂に入ると、朝型の生活リズムが整うことで健康的な生活を送れます。
ただし、冬場の朝は冷え込むことも多く、湯冷めから風邪を引く心配があります。朝風呂をおこなう際は、次に紹介する注意点を踏まえるといいでしょう。
■赤ちゃんを朝風呂させる際のポイントと注意点
朝風呂をするときは、次のポイントと注意点があります。のぼせや湯冷めにならないようにすることは、赤ちゃんの生活リズムにつながるので、事前にチェックしておきましょう。
◇寒い日は浴室・室内の温度を上げておく
気温が低い時期は、浴室と室内の温度をあらかじめ上げておくことがポイント。服を脱がせたときに寒いと感じると、赤ちゃんが泣きだしてしまいます。そのため、浴槽にお湯をはる、シャワーを壁にかけるなどして浴室を温めておきましょう。
◇入浴後も湯冷めしないよう、室温に気を配る
入浴後の湯冷めを防ぐため、室内の温度を温かくしておくとより安心です。ファンヒーターなどをお持ちであれば、脱衣所に持ち込んで温めると湯冷めしにくくなります。エアコンだけでヒーターを持っていない場合は、温かいリビングで着替えさせるなど工夫しましょう。
また、すぐに身体を拭いて着替えができるように、脱衣所にタオルや着替えを揃えておくことも大切です。
◇長すぎるお風呂もNG、浸かる時間は3分~5分程度に
お湯に長く浸かれば身体が温まりますが、赤ちゃんの場合は事情が異なります。なぜなら、赤ちゃんの皮膚はとても薄く、入浴時間が長いと肌の水分が失われて脱水などが懸念され、皮膚の乾燥も進んでしまうからです。お湯に浸かる時間を3~5分くらいにとどめると、身体に負担もなく、肌のうるおいを保てるでしょう。お湯の温度も39-40℃くらいがよいでしょう。
◇だいたい同じ時間帯に入れるとなお良い
赤ちゃんの生活リズムを整えるため、できるだけ同じ時間帯にお風呂に入れるのが望ましいとされています。起きる時間に加え、授乳や離乳食を食べる時間も同じにすると、赤ちゃんの生活リズムが徐々に整っていくのです。
また、夜にお風呂に入れる場合、寝る2時間前を目安にするといいでしょう。体温が上がると一時的に目が覚めますが、体温が下がるにつれて眠くなります。同じ時間帯にお風呂に入れられない場合は、寝る時間で決める方法もおすすめです。
■赤ちゃんのお風呂、ベストな時間帯は朝?昼?夜?
赤ちゃんをお風呂に入れるベストな時間帯ですが、実は決まった時間はなく、臨機応変に対応する方法でOKです。赤ちゃんの様子にすべてあわせる、もしくは親御さんの都合で決めるという場合、時間が毎回違っても問題はありません。
しかし、湯冷めから風邪を引くリスクを考えると、季節によって快適に入られる時間帯を選んだ方がいいでしょう。蒸し暑い夏場は午前中などの涼しい時間帯、寒い冬は日が出ている昼間に入るのがおすすめ。また、お湯の温度も夏場はややぬるめ、冬は少し熱めにするとちょうどいい湯加減になります。
ただし、「時間を守らないといけない」という意識は、ママやパパの負担やストレスにつながります。赤ちゃんの行動は思い通りにいかないもので、お風呂に入れたい時間帯に機嫌がいいとは限りません。また、最低でも30分~1時間は時間を置いた方がいいとされる授乳後や食後にお風呂に入れることになる可能性も。
特に、生後数か月は寝起きの時間が定まらないので、生活リズムを整える前に、ママと赤ちゃんのペースに合わせるようにしましょう。お風呂がパパやママの負担やストレスにならないよう、臨機応変に対応することが重要です
■まとめ
赤ちゃんは新陳代謝がよく、汗をたくさんかくので朝風呂に入れてもOKです。朝風呂は目が覚めて活動しやすくなり、お昼寝や夜の寝つきがよくなるメリットも。
ただし、朝は昼間よりも気温が低いため、脱衣所や浴室、室内を温めておき、湯冷めしない対策が必要です。
赤ちゃんをお風呂に入れるタイミングは、赤ちゃんの様子やママの都合などで臨機応変に対応すればOK。お風呂の時間を決めてしまうと、時間を守ることでストレスにつながるからです。
赤ちゃんの生活リズムを整えることも大切ですが、新生児の場合はママの都合と赤ちゃんのペースに合わせるといいでしょう。