海や山などレジャーに行く機会が増える季節になってくると、日焼けの問題を抱える方も多いのではないでしょうか?
日焼けして発生するかゆみをしっかりとケアしないと、肌にも悪影響を及ぼす可能性があるので、本記事ではかゆみが起こる原因や対処法などを紹介します。
日焼けをした後、肌のかゆみでお悩みの方は、ぜひ参考に正しいケアを実践してみてください!
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■日焼けで肌がかゆくなるのはどうして?
なぜ日焼けをすると肌がかゆくなるのでしょうか?
正しいケアをご紹介する前に、かゆみが発生する原因を紹介します。
◇日焼け後のかゆみは炎症が原因!?
日焼けをした肌の状態というのは炎症を起こしており、火傷と同じような状態にあります。
炎症が起こる原因として、紫外線があります。肌が紫外線を浴びることによって、皮膚に存在している水分や油分が蒸発してしまいます。それが徐々に進行していき最終的には乾燥を引き起こすのです。
◇乾燥するとかゆくなる理由
肌が乾燥するとかゆくなる理由として、身体が持つ防衛本能があります。
肌の乾燥=炎症と脳が捉えるとかゆみの信号を発信します。炎症は肌に起きたトラブルになり本能的に掻いて取り除こうと指示を出します。
その指示がかゆみの原因になり、仕組みとしては吐き気にも似た要素があります。
■日焼けでのかゆみを抑える対処法
日焼けでかゆみが発生した場合には、正しいケアをおこないかゆみを抑える必要があります。ケアを十分にしないと、後々の肌トラブルの原因にもなってしまいますので、要点を抑えてしっかりと対策しましょう。
◇保湿液を肌にたっぷり塗る
かゆみケアのポイントとなるのが「保湿」なので、しっかりと保湿液を肌に与える必要があります。その際に注意すべきポイントとしては成分です。
石油やオイルベースの保湿液を使用すると、肌に熱がこもりかゆみが収まらない場合もあるので、保湿液を選ぶ際にはセラミドやビタミンE、アロエベラなどの無香料で肌に優しいものを選ぶと良いでしょう。
◇保湿クリームを塗る
保湿クリームを塗ることも炎症を抑え、かゆみに効果があるとされています。
ヒドロコルチゾンが配合されているクリームや局所ステロイド剤を塗ることで炎症を抑えることが出来るので、保湿液と合わせて使用すると効果が上がります。
また、保湿液を冷蔵庫などで冷やしている方もいますが、肌へのストレスとなってしまう恐れがありますので、メーカーが推奨していない限りは常温で使用するようにしましょう。
◇冷たい湿布を貼る
日焼け後すぐにおこないたい対処方法として、「冷やす」ことを覚えておきましょう。
日焼けをした場合、すぐに肌を冷やし火照った肌を鎮めます。それによりある程度炎症の進行を抑えることが出来るので実践してみると良いでしょう。
肌の冷やし方も以下の方法があるので、参考にしてみてください。
・冷たい流水で日焼けした箇所を冷やす
・氷や保冷材を使い日焼けした箇所を冷やす
・濡れたタオルやおしぼりで日焼け箇所を冷やす
■日焼けした肌を掻いてしまうとどうなる?
かゆみの原因や対処方法を紹介してきましたが、実際にケアをせずかゆみに任せて肌を掻いてしまうとどうなってしまうのでしょうか?
ここでは肌を掻くことによって発生するデメリットを紹介しますので気をつけるようにしましょう。
◇肌のバリア機能の低下
日焼けをした肌はバリア機能が弱っている状態になります。
その状態で肌を掻いてしまうと余計にバリア機能が低下してしまい、肌荒れをも起こしてしまいかねないので注意してください。
また、バリア機能が低下すると肌のターンオーバーにも影響を与えます。
正常な肌の場合ですと28日~56日周期で肌は生まれ変わります。ターンオーバーに乱れが生じると肌トラブルの改善が遅れたり、傷跡などの回復も遅くなってしまいます。
◇掻くことで「かゆみの悪循環」に陥る
かゆみが発生し、肌を掻いてしまうと一時的には症状が和らぎます。しかし、肌を掻きすぎて皮膚を傷つけたりしてしまうと、皮膚トラブルが悪化するだけではなく、正常な肌の状態なら出ないかゆみが発生するという悪循環に陥ります。
かゆみの悪循環に陥ると、かゆみによるストレスが増えたり、皮膚症状の悪化、かゆみによる睡眠不足などが起こってしまいます。
睡眠不足まで発生すると、さらに肌荒れなどの症状が起こることもあるので、かゆみが起こっても絶対に掻かないようにしましょう。
■まとめ
日焼けをした後に発生するかゆみは、肌が火傷を負っている状態に似ています。
正しいケアをおこなわないと、大きな肌トラブルを招く可能性があることを知っておきましょう。また肌をケアする際に重要になるのが「保湿」と「冷やす」こと!
日焼けをした後は時間をおかず、すぐに冷やすように心がけ、アフターケアとして十分な保湿を徹底するようにしましょう。