「年齢を重ねて白髪が目立つようになった」、「若いにもかかわらず白髪になる」など、年代を問わず白髪に関する悩みを抱えている人は多くいらっしゃいます。白髪染めをすべきか、痛みを我慢して抜くことで対処すれば良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。そこで、白髪になるメカニズムや、「白髪は抜くと増える」という噂について詳しく解説します。
■白髪が生えるメカニズム
人間の髪はタンパク質で生成されており、タンパク質そのものは無色であることが特徴です。黒い髪は、毛根にあるメラノサイトが髪にメラニンを届けることによって、髪に色がついている状態です。年齢を重ねると、毛根にあるメラノサイトの機能が低下し、メラニンの生成量が減少します。黒い髪が徐々に灰色や黄色、白色などに変化する理由は、メラニンが生成されていないことが理由です。
また、髪1本の中に黒い部分と白い部分が存在するケースがありますが、メラニンを生成する機能が不安定になっている可能性が高いです。メラノサイトの機能が休止すれば、白髪に変化するでしょう。メラニンの生成量が減少する原因は、女性ホルモンの乱れや血流が悪いこと、酸素や栄養が毛根に届いていない、毛根細胞の機能低下などが考えられます。
ただし、遺伝的な原因もあるとされており、現段階では解明されていない部分も多くあります。一般的な白髪は、毛根付近にある毛母細胞と呼ばれる部分で生成され、生えたばかりの髪は白い色をしています。生えたばかりの白い髪に色をつける役割を果たすのが、「メラノサイト」と呼ばれる細胞で作られるメラニンです。
白髪が生える理由は複雑であり解明されていない部分が多いですが、メラニンは作っているものの髪に届かない、メラノサイトの色素細胞が減少するなどの理由で白髪に変化すると考えられています。これらの原因を引き起こすのは、ストレスや加齢です。
一般的に、年齢を重ねると細胞内にあるDNAにダメージが蓄積され、再生する機能が低下します。再生機能の低下は、40代、50代だけでなく30代でも現れ始めます。さらに、白髪の原因としてストレスも挙げられますが、実際には関係性を証明することは難しいとされており、白髪になる原因が思い当たらず、消去法によって「ストレスではないか」と考えられるケースも少なくありません。
年齢を重ねることや、ストレスを溜めている、栄養バランスが乱れているといった理由以外にも、遺伝や病気、内臓機能の低下などさまざまな原因が挙げられます。
■病気などで白髪になる場合もある
基本的に、白髪は年齢を重ねることによって現れますが、病気との関連性も0%ではありません。貧血や甲状腺の病気、髪そのものの質の低下も、白髪の増加につながります。
甲状腺は健康な髪を生成する働きを促進するため、甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンが分泌されなくなると、髪が細くなり抜けるといった症状のほか、白髪の増加につながります。甲状腺ホルモンに異常が起こるバセドウ病や、橋本病などが原因で白髪が増えることも考えられるでしょう。
白髪が増えるだけではなく体調不良も同時に実感している場合には、甲状腺を検査することをおすすめします。
さらに、病気ではないものの、睡眠不足や過度のダイエットも白髪の原因になります。爪や髪は細胞が死んでいるものなので、エネルギー供給の優先順位は最も低い部分です。ほかの場所へエネルギーを使わなければならず、髪に栄養素が届かなくなっている状態も考えられます。
髪の質が悪くなったり白髪が増えたりした場合は、体のどこかに異常をきたしている可能性も視野に入れなければなりません。
■白髪は抜くと増えるというのは本当?
白髪を抜くと増えるという噂を耳にしたことがある人は多いでしょう。しかし、白髪を抜いたところで、減ることも増えることもありません。白髪を抜いても再度、白髪が生えてくるだけです。白髪は毛根に存在するメラノサイトと呼ばれる色素細胞が、髪に色をつけるための色素を生成できなくなったことが原因で生えます。
一般的に、1つの毛穴から数本の毛が生えていることが特徴であるため、何度白髪を抜いても1つの毛穴からは白髪が生えてくるだけです。
抜いて本数を減らしたいと考えても、一時的に本数が少なくなるだけであり根本的な解決にはなりません。そのため、抜かずに短く切る、もしくは白髪染めをする方法が有効です。
■まとめ
白髪染めをする際に、ヘアカラーの薬剤が頭皮に付着することで頭皮にダメージを与えます。薄毛や抜け毛、頭皮の炎症といったトラブルには注意しなければなりません。
さらに、白髪は着色しやすいですがカラーリングに慣れていない人がおこなうと色ムラができたり、上手に染まらなかったりといった可能性もあります。自分で白髪染めをするケースは多いですが、頭皮のトラブルや綺麗に仕上がらないのではといった不安がある場合は、美容院で相談をすると良いでしょう。