ダイエットをしてもなかなか痩せられないことは、30代~40代の女性に共通する悩みの1つ。食事制限や運動などのダイエット方法は、痩せやすいと分かっていても、続かずに断念してしまった、という経験はだれにでもあるものでしょう。
そこで今回は、手軽に継続できるおすすめのダイエット方法として、毎日入るお風呂を活用する効果的な入浴法とその注意点についてご紹介します!
この記事の監修者:近藤 千種 先生(内科医)
2013年帝京大学医学部卒業。日本抗加齢医学会専門医。出身地である愛知県下の病院で内科医として診療に従事すると同時にセルフケアやアンチエイジングについてメディアへの出演・寄稿を通じて啓蒙活動を行なっている。
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■入浴はダイエットに効果的あり?
入浴をすると汗を大量にかくことで痩せた気分になりますが、実際は体内の水分が減るだけなので、残念ながら即痩せるということはありません。ただ、入浴で体温を上げて「痩せやすい体質」を作ることは可能!
入浴で体温を上げると、同時に代謝も高くなるので、脂肪が燃焼しやすく痩せやすい体質になります。代謝は脂肪や糖を燃焼してエネルギーに変える働きのことですが、平熱が36℃を下回る低体温だと代謝が悪くなってしまいます。
つまり、代謝を上げる入浴法を試すことで、結果的にダイエット効果が期待できるということです!
■ダイエットに効果的な入浴法
入浴すると体温が上がるのは確かですが、ただ入浴するだけではダイエット効果が得られません。そこで、ダイエットに効果的な入浴法を3つご紹介します!
◇HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法
HSP(ヒートショックプロテイン)とは、熱の刺激を与えることで増える体内のたんぱく質のこと。HSPには細胞の修復や免疫力の向上、疲労回復という働きのほかに、代謝を高める働きもあります。つまり、入浴でHSPを増やすことで、痩せやすい体質になる効果が期待できますよ!
HSPを増やすためには、やや熱めのお風呂にある程度の時間つかるのですが、次のポイントを踏まえて入浴するのがおすすめ。
・40℃で20分、41℃で15分、42℃で10分を目安にお湯につかる
・炭酸ガス系の入浴剤を入れる場合は、上の目安時間から5分短縮する
・入浴後は37度以上の体温をキープするため保温する
入浴後の体温を37℃以上に保つことで、全身に熱がこもり、体内のHSPが増えるためお湯から上がった後は体を冷やさず温めるようにしましょう。
もし、41℃以上の熱いお湯につかるのが難しいなら、次に紹介する方法で40℃のお湯に合計20分つかってもOK!
1.入浴前に常温の水やお茶で水分補給をする
2.首まで浴槽にフタをして、40℃のお湯に10分つかる(※炭酸ガス系入浴剤を入れた場合は約7分ずつの14分が目安)
3.熱いと感じたら浴槽から出て休み、落ち着いてから再び10分お湯につかる
4.お湯につかる間に体温計で体温を測る(体温が1.5℃上昇するか、38℃以上にする)
5.お風呂から出て体を拭いたら、早めに服を着て体を保温する
これを1日おきに2週間、毎日できる場合は1週間続けると、平熱が0.5~1℃上昇して代謝も高くなることで痩せやすい体質になれるでしょう。
◇高温反復入浴
「お湯に長くつかるのが苦手」という方は、水圧と温度の負荷を体にかけて代謝が高まる高温反復入浴がおすすめ!これは、42~43℃のお湯に短時間で何回かに分けて入浴する方法で、血流と代謝が活発になるだけでなく、3回繰り返しの1クールで200~300Kcalのカロリーを消費できるといわれています。
それでは、高温反復入浴の手順をご紹介します!
1.熱いお湯に体を慣らすため、かけ湯をする
2.2~3分ほど入浴し、浴槽から出て5分休憩(この間に髪か体を洗うのがベター)
3.2回目の入浴として2~3分ほど入浴し、浴槽から出て5分休憩
4.2回目の休憩後、5分ほどゆっくりお湯につかる
入浴方法を工夫するだけという手軽さは、試してみる価値はありますよね!
ただし、体調が悪い日や疲れがひどいときはこの入浴法を避けて、体調がいい日に行いましょう。
また脱水を予防するため入浴前にはコップ1杯の白湯を取るようにしましょう。
◇温冷交代浴
温冷交代浴とは、肩までお湯につかったあとに、冷たい水をシャワーで浴びる、ということを3回くり返す入浴法。お湯であたたまって拡張した血管を水で引き締めることで、血管がポンプの役割を果たすので、血行がよくなるうえにダイエット効果も期待できますよ!
3回くり返したあとは、最後に冷水を浴びることがポイント。冷水で引き締まった血管がゆっくり拡張していくので、体温が下がらずに保温できます。
お湯の温度は春夏なら39℃、秋冬なら40℃が目安です。この目安温度以上に熱いお湯での効果は検証されていないので、ちょうどいいと感じる温度で長くつかるのがおすすめ。
◇入浴中のエクササイズ
入浴法によるダイエットだけでなく、お湯の中でエクササイズをするのもおすすめです。
お湯の水圧で、少ない力でも負荷がかかり、筋肉がつきやすくなりますよ!
脂肪がつきやすいお腹・太ももを引き締めるエクササイズは、次の方法で行いましょう。
・お腹…両手を浴槽の底につけた状態でお尻を浮かせ、お腹を左右にひねる
・太もも…足を伸ばしてお湯につかり、足の付け根からゆっくりとバタ足をする(足が水面に出ないようにする)
こういったエクササイズをお風呂に入ったときの習慣にすると、よりダイエット効果が期待できますね!ただし、長時間やるとのぼせる可能性があるので、無理のない範囲で継続することがポイントです。
■ダイエット入浴法はここに注意!
ダイエット入浴法を取り入れる場合、次の注意点を把握しておきましょう。
◇お湯の温度や入浴時間
入浴で体温があがって代謝がよくなるからといって、むやみにお湯を熱くしすぎたり、長い時間お湯に入り続けたり、といったことは体調不良や肌が乾燥してしまう原因になるので気をつけましょう。今回ご紹介したように、入浴方法に合った温度と入浴時間で試してみてくださいね!
◇高血圧・不整脈の人は要注意
入浴は血行がよくなるので高血圧、不整脈、心臓病のある方は、この入浴法で体調が悪くなる可能性があります。入浴法を試してみたい場合は、事前に医師に相談してから行うようにしましょう。
■まとめ
毎日何気なく入っているお風呂でも、入浴法を工夫すればダイエットに向く身体づくりが期待できます!
効果的な入浴法は3つありますが、無理なくできる方法を選んで、まずは数週間続けてみてくださいね。
ただし、高血圧などのダイエット入浴法に向かない体質の方は、自己判断ではなく医師に相談してから行いましょう。