暑い夏が近づいてくると特に、「お湯をためて入浴をするのはめんどう」「シャワーだけでもスッキリするから……」などという理由から、湯船には入らずシャワーだけで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか？

 

たしかに、毎日お風呂に入ろうとするとおっくうになってしまうこともありますが、しっかりと入浴することは心身の健康につながるともいわれています。

そこで今回は、毎日お風呂に入ったほうがいいといわれている理由や、シャワーでは得られない効果などをご紹介します。

 

この記事の監修者：田嶋 美裕　先生

循環器内科医。狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などの循環器疾患のほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病全般の治療に携わる。女医＋（じょいぷらす）所属。

■お風呂には毎日入ったほうがいいの？

昔から、「お風呂には毎日入ったほうがいい」とよくいわれていますが、それはなぜなのでしょうか？

 

・汚れが落ちて清潔

・体が芯から温まる

・好きな入浴剤を入れれば香りを楽しめる

 

など、お風呂に入ったほうがいい理由はなんとなく思い浮かぶものです。

お風呂に入ることで体が温まれば、リラックスできて心身の健康にもいいと考えられていますよね。

 

2012年に静岡県の住民を対象におこなわれた調査で、毎日シャワーだけという人のしあわせ度が38％であったのに対して、湯船に浸かっている人のしあわせ度は50％だったという結果が出ています。また、週に7回以上お風呂に入る習慣のある人は、6回以下の人に比べて睡眠の質も高いのだとか。

 

簡単にまとめると、毎日お風呂に入っている人は幸せを感じやすいなど、気分にまで影響する可能性があるということです！

 

入浴によって副交感神経が優位になると体が緩まり、リラックス状態になります。

するとストレスの軽減や睡眠の質の向上に繋がり、結果的にしあわせを感じやすくなっているのかもしれません。

だからこそ体が冷えやすい冬場はもちろんですが、ついシャワーだけで済ませてしまいがちな夏場でも、毎日湯船に浸かってリラックスされることをおすすめします。

 

 

■毎日お風呂に入るとハッピーに過ごしやすい！

静岡県でおこなわれた調査結果が示しているように、どうやら毎日お風呂に入るとハッピーに過ごしやすいようです。

 

その理由は、やはり「お風呂に入るとリラックスできる」ことが大きいでしょう。

 

入浴することで体の血流がアップし、新陳代謝が活発になって体内の老廃物が排出されやすくなります。すると、冷え性の軽減・顔色がよくなる・吹き出物が治まる・むくみが解消されるなど、体にさまざまな変化が現れることも。

女性にとったらそれだけでもうれしいものですが、入浴することでリラックス効果が高まるとさらなる変化が！

 

・副交感神経が刺激されて入眠しやすくなる

・ストレスに強くなる、イライラしにくくなる

・しあわせを感じやすくなる

 

など、精神面への働きが多いことも確認されています。

 

仕事や子育てに追われていると、どうしても日々のストレスや疲れを翌日に持ち越して疲労がたまってしまいがちに。

そんな忙しい世代の女性だからこそ、毎日の入浴を利用して賢くリラックス・リフレッシュできる時間を作ってみましょう！

 

■シャワーだけだとだめなの？入浴でしか得られない効果とは

シャワーは手軽ですが、その反面、体を芯から温めたり深いリラックス効果を得たりするのは難しいものです。ですが、最近は「お風呂場が狭い」「湯船をためるのがめんどう」「忙しい」などという理由から、どんどんシャワーだけで済ませてしまう人が増えている模様。

 

そこでここでは、お風呂でしか得られない効果についてまとめていきましょう。

きっと「今日からお風呂に入ろう！」と思ってもらえるはずです。

 

◇疲労回復効果

お風呂に浸かると、「あぁ〜気持ちいい！」と思わず声が出てしまうこともありますよね。入浴による温熱効果で血流がよくなると、血中の酸素や栄養素・免疫物質などが体中をくまなく循環できるようになり、体が温まります。

 

体が温まることで血中のさまざまな物質がスムーズに働けば、疲労の原因となっている「二酸化炭素」「疲労物質」などを体外へ排出しやすくなり、さらに、浮力効果によって重力から解放されるのでリラックス効果も抜群！

 

このように、毎日入浴することは1日の疲れをリフレッシュさせて、健康的な体を維持することに役立ちます。

 

◇不眠

夜なかなか寝付けない方も多いですが、原因はさまざま。

「考え事や心配事が出てきて寝られない」「そもそも眠たくならない」なんて人も少なくありませんが、入浴することで副交感神経を刺激すると自然な眠気がやってくる場合もありますよ。リラックス効果が高まれば、考え事をしてもそれによって眠気が妨げられることは少ないはず。

 

不眠解消のためにおすすめの入浴方法は、寝る1〜2時間前に40度以下のぬるま湯に15分ほど浸かることです。

こうやって副交感神経を優位にしてあげれば、リラックス効果が働いて自然な眠気をより感じやすくなるでしょう。

 

 

■まとめ

お風呂には、疲労回復効果や不眠に役立つ働きがあります。

でも実はその先に「ハッピーに日々を過ごすこと」とも関係があることは覚えているとよいですね。

 

毎日お風呂に入ることで1日の疲れやストレスを癒すことができれば、小さなことにもイライラせず落ち着いて対処できそうな気がします。

毎日のお風呂タイムで心を充電し、ささいなことにも感謝できるハッピーな自分を目指してみませんか？