シャンプーやトリートメントなど、美しい髪をつくるために毎日のヘアケアを頑張っている女性は多いでしょう。
外側からのヘアケアも効果的ですが、それと同じくらい大切なのが内側からのケア。内側からのケアにもいろいろなやり方がありますが、食事も重要なポイントの1つ。
それは、すこやかな髪をつくるために欠かせない栄養を、食事から摂取するからです。
今回は、美髪をつくる食べ物や栄養、髪の健康のために気をつけたほうがよい食べ物について詳しく紹介していきますね。
この記事の監修者:川崎 加織 先生
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本抗加齢医学会専門医。
「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。
INDEX
■美髪をつくるには食べ物も大切なの?
私たちの体は食べたものからつくられているので、髪の毛も食べ物による影響が大きくなります。ここで、食べ物が髪の毛に与える影響の大きさを知っておきましょう。
◇頭皮の健康にも影響
髪が生えてくる土台となるのが頭皮。この頭皮が健康でなければ、そこから生えてくる髪の毛にも、ダメージやトラブルが目立ちやすくなります。
すこやかな髪の毛を生やす、育てるためには頭皮の毛根に十分な栄養を届けることがポイント。そのためにも、普段の食事から十分な栄養をとっていきましょう。
◇タンパク質不足がまねくダメージ
肌や爪、髪の毛、筋肉など人間のあらゆるパーツの主成分はタンパク質です。
そのため、タンパク質が不足してしまうと髪の健康が損なわれてしまい、パサつきやダメージ、抜け毛・切れ毛の原因になります。
偏った食生活を続けている、極端なダイエットをしているという場合は、タンパク質が不足しがちになり、髪のダメージもどんどん加速することに。
■美髪をつくる食べ物・栄養素とは
いろいろな栄養素がありますが、美髪のためにはどのような食べ物・栄養素を積極的にとったらよいのか気になりますよね。
ここでは、髪の健康のためにとりたい食べ物や栄養素を紹介していきます。
◇タンパク質
髪をつくる基になる栄養素がタンパク質で、肉や魚、卵、乳製品、豆類などに多く含まれています。
また、タンパク質を多く含む食品のなかには、必須ミネラルの1つであるイオウも含まれています。イオウが不足すると髪が抜けやすくなるので、健康な髪のためにも意識して食べるようにしたいですね。
◇ビタミンB群
頭皮も肌と同じようにターンオーバーを繰り返し、ターンオーバーがスムーズにおこなわれなくなると髪にも影響が出てきます。
ビタミンB群には皮膚の代謝をよくする働きがあるので、積極的にとりたい栄養素の1つ。
ビタミンB群は青魚、レバー(牛・豚・鶏)、ナッツ類、うなぎ、豚肉、豆類に多く含まれています。また、ビタミンB群は髪だけでなく、美肌づくりやダイエットもサポートしてくれるので、できるだけ毎日とるようにしたいですね。
◇ビタミンE
頭皮には毛細血管と呼ばれる極細の血管が張り巡らされていますが、年齢を重ねることなどが原因で血流は悪くなっていきます。血流が悪くなると栄養が十分届かなくなり、それが頭皮や髪にも影響します。
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれるほど抗酸化作用が高く、血管を保護し、血流をよくして髪に栄養を届きやすくしてくれます。ビタミンEを豊富に含む食品は、黒ゴマ、玄米、ナッツ類。
また、ビタミンEだけでなくビタミンAやビタミンCも抗酸化作用が期待できるので、あわせてとるようにしたいですね。
◇亜鉛
髪の成長に欠かせないのが亜鉛。
ミネラルの一種で、カキやするめ、ソラマメといった食品に多く含まれています。
◇ヨウ素
昔から、ワカメや昆布などの海藻類を食べると、つやのある髪が生えてくるといわれていますよね。それは、海藻類に含まれる「ヨウ素」というミネラルが、髪の健康に大きく関わっているから。昆布やワカメは日本人にもなじみの深い食品なので、比較的摂取しやすい栄養素かもしれませんね。
ただし、ヨウ素を必要以上にとりすぎてしまうと、甲状腺機能が低下してしまうので注意しましょう。
■髪によくない食べ物もある
髪の毛の成長に悪影響をもたらす食べ物もあります。
知らずによく食べてしまっている、食べ過ぎている、ということもあるので注意していきたいものです。
ここでは、髪によくない食べ物を紹介していきます。
◇油っぽいもの
フライドポテトや唐揚げ、ピザなど、油っぽい食べ物が大好きという人は多いでしょう。
たしかに、油っぽい食べ物はおいしいのですが食べ過ぎには気をつけたいもの。
油を多くとりすぎてしまうと、皮脂の分泌が過剰になって、皮脂が毛穴を塞いでしまうからです。毛穴に皮脂が詰まってしまうと、髪の成長をじゃまして健康な髪が生えにくくなります。
◇甘いもの
疲れたときや自分へのごほうびに甘いものを食べることがあるでしょう。ですが、髪のためにも食べ過ぎはNG!甘いものも油っぽいものと同じく、皮脂の分泌を過剰にして毛穴詰まりを起こす原因になります。
◇添加物が多い食べ物
添加物や化学調味料を多く摂取してしまうと、髪に悪影響を与えます。
添加物・化学調味料をまったくとらないようにするのは難しいですが、できるだけ天然の調味料を使うなどして添加物の摂取量を減らすようにしてみるのがおすすめです。
■まとめ
健康な髪は、毎日のヘアケアだけでなく栄養によってつくられています。髪を内側から美しく、すこやかにしたい人は、ぜひ食事にも気をつけたいですね。また、ご自身にどんな栄養素が不足しているのかを知りたい場合は、皮膚科専門医や頭髪専門のクリニックを受診されるのも一つの方法です。
どんな栄養素が、髪にどんな影響を与えるのかを知って、食生活の改善にチャレンジしてはいかがでしょうか。