髪のくせ毛は、一口に「くせ毛」といっても、いくつかタイプがあります。また、くせ毛のタイプごとに、その原因も異なってくるため、ケアする方法も変わってきます。本記事では、くせ毛の種類や原因を紹介しケア方法についてみていきましょう。
この記事の監修者:川崎 加織 先生
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本抗加齢医学会専門医。
「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。
■くせ毛の種類5つと見分けるポイント
いわゆるくせ毛と呼ばれるものの代表としては、以下のようなタイプがあります。
◇縮毛(しゅくもう)
いわゆるアフロのような髪型になっていくタイプのくせ毛です。髪質は硬く、頭皮から直立するような向きに伸びていくタイプのくせ毛です。
◇波状毛(はじょうもう)
いわゆる「猫っ毛」といわれる柔らかい髪質の人に多くみられるくせ毛です。柔らかい髪質のなかでウェーブをえがくようなくせ毛であることが特徴です。波の大きさやかたちには個人差がみられるのが通常です。
◇捻転毛(ねんてんもう)
髪が太めの人に多くみられるくせ毛です。このタイプのくせ毛の特徴は、髪が途中からねじれるように生えており、ねじれが理由となって癖が生じているものになります。
◇連珠毛(はじょうもう)
くせ毛の種類としては少ないものになります。このタイプのくせ毛では、数珠の球が連なるように細かいうねりが髪にみられます。髪質も硬く、折れたり切れ毛になったりしやすいことから、髪をのばしにくい場合が多いタイプのくせ毛です。
◇加齢うねり
また、髪は加齢とともに、毛穴の詰りや頭皮の老化などに伴って、癖が強まっていく場合があります。こうした傾向は、捻転毛や、波状毛などの髪質の人によくみられるものです。
■遺伝だけじゃない!?くせ毛になる主な原因
また、くせ毛が生まれる原因にはかなり様々なものがあります。そのときの健康状態などによっても髪質は変化するため、一言で「遺伝」や「体質」という理由では片付かないものも多くあります。くせ毛が生まれる理由としては、たとえば次のようなものがあります。
◇毛穴、毛髪のゆがみ
髪がくせ毛になる原因として、毛根から髪が生える角度がゆがんでいたり、毛の断面が楕円にゆがんで生えてしまっていたりすることがあります。こうした場合、毛穴から髪が出てきた後にも、髪が伸びた後でうねりが生じたりする原因になります。
◇ダメージによる毛髪内部の成分の偏り
また、毛髪の内部の成分に偏りがある場合も、くせ毛の原因となります。毛髪をつくっている成分には、疎水性部分と親水性部分、つまり水分を吸収しやすい部分としにくい部分の二種類があります。これが一本の髪のなかで比較的均等に分布している場合には、湿気があっても髪には癖が生まれにくくなります。
しかし、この分布に偏りが大きいと、湿度の変化によって、一部分だけが水を多く吸収したり、はげしく乾燥したりすることになります。こうしたことが原因で、毛髪にうねりが生じる場合があります。
◇汚れや添加物などによる毛穴の詰り
シャンプーやトリートメントなどで頭を洗う際の添加物や、落とし切れていない汚れが毛穴に詰まってしまうことも、くせ毛が生まれる原因になります。皮脂だけでなく、こうした添加物も毛穴に詰まってしまう場合がある点には十分注意しましょう。
◇食生活の乱れや過度のダイエット
食生活の乱れや、ダイエットによる食事制限などで栄養不足の状態になると、それは髪質を悪化させる原因となります。栄養不足が原因で頭皮の血行不良になれば、髪の毛が細くなることがあります。
また一時的に過食になったりすれば、後から髪が太くなって生えてきたりもするので、それがくせ毛の原因になることもあります。
◇成長とともに起きる髪質の変化
思春期あたりの時期を境に、髪質が大きく変わり、くせ毛になる人もいます。こうしたことが起きる原因は、成長とともに髪質が硬くなっていくことにあります。子供のころに髪質が柔らかかったころにはあまりくせ毛が目立たなくとも、成長とともに毛髪にメラニンが加わることで毛が硬くなり、くせ毛が目立ちやすくなったという場合です。
◇ストレス
また、髪は日々少しずつのびていくものなので、食生活に限らず、日頃の生活習慣の乱れはくせ毛の原因となる場合があります。たとえば睡眠不足や、やけ酒のような過度のアルコール摂取など、生活習慣の乱れは髪質にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
日々の規則正しい生活を乱してしまうリスクとして、ストレスもくせ毛の原因になりうると理解しましょう。
■気軽に試せる!くせ毛の悩みを和らげる方法4選
くせ毛は様々な原因で生まれるものですが、そのケア方法も複数あります。気軽に試せるものだけでも、代表的なものとして以下の4つがあります。
◇シャンプー選びで髪質を整える
頭皮の毛穴に詰った皮脂や汚れや、髪の乾燥が原因でくせ毛になる場合がありますが、これはシャンプーによってケアすることができる場合があります。
・髪を乾燥から守るために、保湿効果の高いシャンプーを選ぶこと
・頭皮にダメージを与えにくい成分のシャンプーを選ぶこと
◇トリートメントで栄養補給
またシャンプーの後にトリートメントをつけて、髪にうるおいを与えることも、くせ毛に効果があります。トリートメントをつける際には、髪にトリートメントを馴染ませるために、ある程度水が髪から落ちてからつけるようにしましょう。
髪の栄養補給に適したトリートメントとして、おすすめはこちらになります。
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よりトリートメントの効果を高める方法として、トリートメントを髪につけ蒸しタオルを髪全体が覆われるように巻きます。その上からラップを巻き約10分間放置します。
そうすることにより、トリートメント成分が髪の内側に浸透しやすくなるので、おすすめです。
◇食事や生活習慣を見直す
食事や生活習慣の見直しも大切です。髪の主成分はタンパク質。たとえダイエットなどで食事制限をおこなっていたとしても、髪の健康を考えるならタンパク質の不足には十分に注意しましょう。
◇くせ毛を生かしたヘアスタイルを楽しむ
また、考え方を変えて、くせ毛を生かした髪型にしてしまうというやり方もひとつです。ほかにも、美容院などでおこなう縮毛矯正などによって、人工的にくせ毛を取り除いてしまうやり方もあります。
■まとめ
くせ毛が生まれる原因はさまざまで、その対処法も複数あります。一人一人のくせ毛のタイプにあわせて、まずは気軽に実施できるものから、対処法を考えていくようにしましょう。