年齢と共にくっきりと目立ってくるほうれい線。見た目年齢を老けさせる大きな要因になるので、なんとかして解消したい!と悩んでいる方は多いでしょう。
そんな悩みの種であるほうれい線ですが、なぜできてしまうのか原因やメカニズムまで知っているという方は少ないはず。
そこで本記事では、ほうれい線ができる原因やメカニズムを解説します。ほうれい線の対処法や予防法もあわせてご紹介するので、ほうれい線に悩んでいる人だけでなく、今はまだほうれい線ができていないけれど予防法を知りたい、という方もぜひチェックしてみてください。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■ほうれい線の原因・メカニズム
ほうれい線ができる原因は、大きく分けて以下の3つあります。
基本的に老化が原因ですが、老化以外の原因で症状が悪化してしまうこともあるので以下をチェックしておきましょう。
● 表情筋の衰え
歳をとるにつれて、人は筋力が低下していき、顔の筋肉も例外ではありません。筋力が衰えると皮膚と皮下脂肪を持ち上げられず、重力に負けてほうれい線となってしまいます。表情筋は使っていないと萎縮して衰えていくので、表情の癖などで使っていない筋肉があると、20代であってもほうれい線ができることも。かみ癖や表情の作り方をチェックしましょう。
● 真皮のコラーゲン・エラスチンの変性と減少
コラーゲンやエラスチンとは、肌の角質層内に存在するものです。肌から水分が蒸発するのを防いだり水分を取り込んだりする働きを持つので、肌のハリや弾力を作り出します。これらも歳をとるとともに変性・減少していき、肌のハリを失うとほうれい線の発生に繋がります。
● 脂肪組織の構造の劣化
ダイエットとリバウンドを繰り返しおこなっている人は要注意です。太ったり痩せたりを繰り返すと、皮下脂肪組織の構造が傷つき、正常な形ではなくなってしまいます。皮下脂肪組織がいびつな形だと、もちろん表皮もいびつな形に。ほうれい線となって現れます。
また「ほうれい線の目立ちやすい人」というのも存在します。以下の行動を自分がとっていないか確認してみましょう。どれも物理的な要因により、ほうれい線が深くなってしまう行動です。
● うつむきがち
● 寝るときに常に同じ方向を向いている
● 頬杖をつく
● 片側の口端でものを食べる
■ほうれい線の簡単な対処法
実際にできてしまったほうれい線をどのようにケアしたら良いのか、知りたい方が多いでしょう。ここでは、ほうれい線をケアするための簡単な対処法を2つご紹介します。どちらも時間やコストがかからないので、すぐに実践できるのがポイントです。
◇ほうれい線を消すマッサージ方法
ほうれい線の要因の1つが、筋力の低下や表情の癖による筋肉の萎縮である、と上述しました。そこで、表情筋をほぐして血行改善をおこなうためのマッサージをするのが、ほうれい線のケアには効果的。以下の手順でやってみましょう。
1. 手を軽く握り、頰骨の下に第二関節が入るように強めに押す
2. 頰骨とあごの骨の間のくぼみに手を当て、くるくると小さな円を描くように動かす
3. 耳下からデコルテへ、指で撫でるようにしてリンパを流す
◇ほうれい線には保湿も重要
ほうれい線は、乾燥でできる小ジワの延長であるケースもあります。その場合には、保湿ケアを入念におこなえばOKです。保湿ケアは、以下の手順でおこないましょう。
1. 化粧水
2. 美容液
3. 乳液
4. クリーム
どれも適量を手に取ったら、やさしく押し当てるようにして肌に馴染ませるのがポイント。体温によってより浸透しやすくなります。ただ馴染ませることを意識しすぎて、力強くごしごししないようにしましょう。
また、市販されている乾燥小ジワ専用の保湿・美容クリームを使用するのもおすすめ。コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの肌の保水力を高めてくれる成分が入っているので、より効果を得られます。
■ほうれい線の予防法
上でほうれい線の対処法をご紹介しましたが、実は1度できてしまったほうれい線を目立たなくするのはなかなか困難。毎日のケアをしっかりしたとしても、長期間かかります。つまり、気にならなくなるまでの期間はほうれい線の悩みがつきまとうということ。
そこで、ほうれい線ができる前に予防をしておくのがおすすめです。以下の3つのポイントを押さえて、ほうれい線の予防をおこないましょう。
◇表情筋を意識的に動かす
表情筋の衰えがほうれい線の発生に直結するので、意識的に色々な表情をするなどして顔の筋肉を動かすようにしましょう。特に意識したいのが、普段使わない表情筋。顔の隅々まで動かすイメージで、1日に1回は表情筋のストレッチをおこないましょう。
お風呂に入っているときなど、暇な時間にぜひやってみてください。
◇紫外線/UV対策を怠らない
実は紫外線が引き起こすのは、日焼けだけではありません。紫外線には肌内部のコラーゲンを破壊する作用があるので、肌のハリや弾力が失われてしまい、ほうれい線の原因となります。
冬場や曇りであっても必ず日焼け止めは塗るようにしたり、日傘を持ち歩くようにして紫外線対策を徹底しましょう。また、日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すのがおすすめです。効果が薄れてしまうので、汗をかいた後などはこまめに塗り直しましょう。
◇姿勢を正すことも予防に繋がる
姿勢が悪いとほうれい線ができる、というイメージがわかない方も多いかもしれませんが、顔の筋肉は首や肩の筋肉と繋がっているので、連動してほうれい線ができてしまうのも当然の仕組みです。
片側だけ筋肉を使うなどの身体がゆがむ行動をしていると、巡り巡ってほうれい線に繋がるので、バランスの取れた正しい姿勢を心掛けましょう。
■まとめ
老け顔の原因となるほうれい線は、表情筋の衰えやコラーゲン・エラスチンの減少などが原因でできるもの。できる原因は老化によるものが多いので「ほうれい線=歳をとった証」と諦めてしまいがちですが、適切な化粧品を使ってケアしたり、マッサージしたりして解消が望めます。
ただし、1度できてしまったほうれい線の解消には時間がかかったり解消しきれないこともあるので、ほうれい線ができる前から日々予防法を実践しておくことが大事になります。今回ご紹介した予防法を実践して、ほうれい線のない見た目年齢の若い肌を手に入れましょう。