熱が出ると汗をたくさんかくので、「お風呂にいれてあげたい」と思うことってありますよね。
でも、子供が風邪やインフルエンザで発熱したときにお風呂にいれていいものなのか、判断に迷ったことが一度はあるのではないでしょうか?
今回は、発熱時にお風呂にいれる場合の注意点、お風呂を避けたほうがいいケースや対処法についてご紹介します。
この記事の監修者:武井 智昭 院長(高座渋谷つばさクリニック 内科小児科アレルギー科院長)
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経て高座渋谷つばさクリニック_内科小児科アレルギー科院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。医師+(いしぷらす)所属。
INDEX
■発熱時にお風呂にいれるかどうかは子供の状態をチェック!
まず結論からいうと、発熱時でもお風呂にいれてよいケースはあります。ですが、お風呂にいれる前に子供の様子を見て判断することが大切です。
それを判断するには、次の3つのポイントをチェックしてみましょう。
・嘔吐をしていない
・元気がある
・機嫌がいい
・熱が37.5℃以下
子供は平熱が高く37℃を超えることもあるので、37.5℃ぐらいであれば熱があっても、子供が元気で機嫌がいいようならお風呂にいれても大丈夫です。
お風呂にいれられるか心配な場合は、かかりつけの医師や病院に確認すると安心ですね。
■こんな場合にはお風呂を避けよう
次のような症状がある場合、お風呂に入るのは避けたほうがいいでしょう。
◇38.0℃以上の高熱
目安として38.0℃以上の高熱が出ているときには、入浴すると体力を消耗し、寒気が強くなるため、発熱などの症状が悪化してしまう場合がありますので避けましょう。
■子供をお風呂にいれられないときは
風邪などのウイルス感染(インフルエンザを含む)による発熱は、普段よりも大量の汗をかきます。
ですが、お風呂で体を洗えないので、蒸しタオルで体を拭いたり、下着やパジャマをこまめに取り変えたりするのがおすすめ。熱があるときは寝ることが大切なので、子供が寝やすいように配慮してあげるといいですね!
■熱がある子供をお風呂にいれるときの注意点
熱がある状態で子供をお風呂にいれるときは、次のポイントに気をつけましょう。
◇お風呂は短時間で済ませる
湯船に長くつかると体力を消耗するので、湯冷めしない範囲で短く入ることがポイント。湯冷めをすると症状が悪化することがあるので、お風呂から出たら体や髪をしっかり乾かしてから早めに寝かせるようにしましょう。
また、お風呂を短時間で済ませるには、シャワーで汗を洗い流すのもOK!湯船につかるよりも短時間で済むうえに、体力の消耗が少ないのでおすすめです。
◇ぬるめの温度にする
お風呂の温度が高いと、子供が立ちくらみやめまいなどを起こしてしまうことがありますので、40℃前後の温度を目安にしましょう。
◇水分補給
発熱時には汗をかいたりするので、水分が不足しがちな状態です。このときに、お風呂に入ることでさらに水分が奪われてしまうので、脱水症状にならないようにお風呂の前後には水分補給を行いましょう。
冷たい飲み物は体を冷やしてしまうので、常温か温かい飲み物がおすすめ!
◇脱衣所を温める
浴室と脱衣所の温度差があると、湯冷めしやすいだけでなく、悪寒を感じやすくなります。特に、冬場は浴室と脱衣所の温度差が大きくなるので、暖房器具を持ち込んで脱衣所を温めておきましょう。
◇ドアノブなどを拭く
インフルエンザウイルスが付着した手で触れた部分に、感染していない人が触れると、インフルエンザに感染するリスクがあります。ですので、ドアノブや電気のスイッチなどの子供が触れていそうな部分を拭いておくことが大切です。
◇お風呂あがりに症状が悪化していないか確認
お風呂に入ると、体があたたまって熱が上がってしまうことがあります。お風呂あがりにしばらくして熱が下がったなら問題ありませんが、熱がなかなか下がらない、元気がなくおとなしくなったというように子供の様子に変化がないかを確認することも大切です。
■まとめ
子供が熱を出した場合には、お風呂にいれてもいい状態と避けたほうがいい状態があり、高熱ではなく元気な状態なら、お風呂にいれても問題ありません。ただし、38.5℃以上の高熱がある場合は、タオルで身体を拭く、こまめに着替えさせるなどに留めましょう。
お風呂にいれるときは、体温があがり過ぎないように短時間で済ませることと、湯冷めさせないことが大切です。インフルエンザの場合は感染力が高いので、ドアノブなどを拭くことも忘れないようにしましょう。