「頭皮からイヤなにおいがする……」「枕がにおう……もしかして頭皮?」と、密かに悩んでいる女性は意外と多いようです。
シャンプーをしても取れない頭皮のにおいは、一体どのような原因で起こるのでしょうか?
頭皮のにおいを解消し、健康な頭皮を手に入れるポイントをご紹介します。
この記事の監修者:宇井 千穂 院長(やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原)
元準ミス日本。全日空客室乗務員を経て、皮膚科医としてアトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患を診療。本や雑誌の執筆をはじめ、web雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。女医+(じょいぷらす)所属。
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■頭皮のにおいの原因は何?
頭皮の独特なにおいが発生する最大の原因は、頭皮から分泌される皮脂です。頭皮は皮脂腺の量が多く、その量は顔のTゾーンの約2~3倍といわれています。
皮脂は誰でも分泌するものですが、以下の条件が組み合わされることで、頭皮のにおいに繋がるのです。
◇皮脂が過剰に分泌されている
頭皮の状態が正常であれば、においが発生するまでに至りませんが、皮脂の分泌量が過剰な場合、頭皮のにおいが起こるリスクが高くなります。
以下の内容について当てはまるものがあるかチェックしてみましょう!
・脂肪分の多い食生活(肉、スナック菓子、揚げ物など)
・シャンプーのしすぎで頭皮が乾燥する
・ストレスや加齢によるホルモンバランスの乱れを感じる(男性ホルモンが増える)
◇汗と皮脂の酸化
過剰に分泌された皮脂が汗と混じると、時間が経つにつれて酸化が進み、においの原因になります。気温・湿度が高い夏に起こりやすく、紫外線のダメージも受けるため、夏場のヘアケアは特に注意が必要です。
◇マラセチア菌による脂肪酸
頭皮常在菌である「マラセチア菌」は、皮脂を栄養源にして頭皮に生息しています。
皮脂が過剰に分泌されるとマラセチア菌も大量に繁殖し、菌が排出する「脂肪酸」が増えて頭皮がにおってしまうのです。
◇雑菌の繁殖
髪を洗ったあとに、タオルドライだけでドライヤーをかけないことも、頭皮がにおう原因のひとつです。
頭皮は髪が密集していて風通しが悪いので、生乾きで放置すると雑菌が繁殖してしまい、においを発してしまいます。
洗濯物の部屋干しでにおうのと同じようなイメージです。
◇フケが多い
フケは頭皮の角質が剥がれ落ちたものであり、フケ自体がにおうことはありません。しかし、フケは細菌の栄養源となり、増殖した細菌が皮脂を分解することでにおいが発生します。フケが原因のにおいを放置すると、皮膚が炎症を起こすので注意しましょう。
また、フケが多くなる原因は、甘いものや刺激物を多く取ること、ストレス、睡眠不足、シャンプーのしすぎによる頭皮の乾燥などがあります。
■頭皮のにおいを解決するヘアケア方法
頭皮のにおいを解決するためには、まずは余分な皮脂やフケなどの汚れをシャンプーで落とすことを、今一度見直すことから始めましょう。
ここでは毎日取り入れて欲しい、正しいヘアケア方法をご紹介します。
◇皮脂やフケを洗い落とす
「毎日洗っていても頭皮がにおう」という場合は、皮脂や汚れを完全に落としきれていない可能性があります。
そこで汚れを効率よく、しっかりと洗い落と方法をお風呂に入る前から順に確認しましょう!
1.髪の絡みをほどき、皮脂やホコリを浮き上がらせるために、シャンプー前に髪をブラッシングする
2.ぬるま湯で髪と頭皮を予洗いして、ある程度の皮脂や汚れを落とす
3.手で泡立てたシャンプーを数か所に分けて置き、頭皮を指の腹でマッサージするように洗う(シャンプーブラシを使うのも◎)
4.耳の後ろから襟足は洗い残しが起きやすいため、丁寧に洗う
5.シャワーヘッドを頭につけて、泡が残らないように念入りにすすぐ
また、天然由来などの肌に優しい成分を配合したシャンプーは必要以上に油分を落とさず済みますよ♪
◇髪を洗ったらドライヤーをかける
タオルドライをしたあとは、頭皮に湿った部分がないよう、しっかりとドライヤーで乾かしましょう。蒸し暑い夏場はドライヤーを敬遠しがちになるうえに、湿度が高いことで髪が乾くのが遅くなります。ドライヤーは季節を問わず使うのが基本ですが、夏場こそしっかり頭皮から乾かしましょう。
毛先からではなく頭皮から乾かすこと、温風で髪が8割乾いたら冷風で残りの2割を乾かすというバランスでドライヤーをかけると効果的です。
◇髪を洗うのは朝よりも夜
朝にシャンプーすること自体には問題ありませんが、忙しい朝だからこそ、隅々まで頭皮の汚れを落としきれない可能性があります。
頭皮のにおいが気になるのであれば、ゆっくり時間が取れる時間に洗うことがおすすめです。また1日の汚れをその日のうちに落とすことも大切です。
■頭皮のにおいに効く!おすすめケアグッズ
頭皮のにおいを解消するケア方法にプラスして、次に紹介するヘアケアグッズも利用すると、より効果的です。
◇スカルプケアブラシ
先ほど紹介したように、シャンプー前にはブラッシングをするのが有効ですが、普通のブラシではなく、頭皮ケアができるスカルプケアブラシに変えるのもおすすめです。
頭皮に程よい刺激を与えることで血行が良くなることや、汚れを浮かせることもでき、さまざまな髪の悩み解消に繋がります。
◇頭皮の保湿ができるアイテム
外気の乾燥や紫外線、ターンオーバーの乱れなどが要因で、頭皮も顔と同じように乾燥します。乾燥しているのに皮脂でべたつくと感じるのは、肌の水分を守ろうとする働きによるものですので、顔と同じように頭皮を保湿できるアイテムを使うこともおすすめです。
■まとめ
頭皮のにおいのもとは皮脂ですが、マラセチア菌や雑菌、生活習慣やストレスなどの要因と組み合わさることで頭皮のにおいが発生します。
頭皮のにおいを解消するためには、皮脂や汚れをしっかり洗い流す、ドライヤーでしっかり乾かすという2つが基本です。髪を洗うのは毎日のことなので、正しい洗い方をすると気になるにおいも徐々に解消されていくと思います。また、頭皮が乾燥している方は、頭皮の保湿ケアを行うことも効果的です!
ぜひ今回紹介したケアを試してみてくださいね♪