お風呂上りは水分補給が必須、という話をよく耳にするでしょう。
実際のところ、「水分補給といっても水分なら何でもいいの?」「どれくらいの量を飲むべき?」という疑問はありませんか?水分補給といっても何を飲むかによって身体への影響が変わりますので、最適な飲み物を選ぶことが重要なのです。
この記事では、お風呂上りの水分補給の重要性と、飲んだ方がいい飲み物、NGな飲み物について紹介します。
この記事の監修者:田嶋 美裕 先生
循環器内科医。狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などの循環器疾患のほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病全般の治療に携わる。女医+(じょいぷらす)所属。
INDEX
■お風呂上りの水分補給は必要?どのくらい飲めばいい?
お風呂上りにおける水分補給の重要性と、適正な飲む量について見ていきましょう。
◇お風呂上りに水分補給が必要な理由
約40℃のお湯に10~15分ほど浸かっただけで、約800mlもの水分が身体から抜けてしまうといわれています。半身浴などで長湯をすると、これ以上の水分が失われ、脱水状態に陥るリスクも避けられません。そのため、お風呂上りに失われた水分を、飲み物で補給する必要があるのです。
◇どのくらい飲めばいい?
「約800mlの水分が失われるなら、800mlも飲まなきゃいけないの?」と思いますよね。しかし、一度に800mlも飲むのは限界があるうえに、大量の水分を飲んでも身体にうまく吸収されないのです。そのため1回200mlを目安に、こまめに飲むことがおすすめです。
■お風呂上りにおすすめの飲み物5選
お風呂上りにおすすめの飲み物を5つと、その理由を紹介します。
◇常温のミネラルウォーター
水分補給の基本といえる水ですが、ミネラルウォーターはお風呂で失われるミネラル分を補給できるのでおすすめ。よく冷やしたミネラルウォーターが飲みたくなりますが、身体が冷えてしまうので常温のものを飲みましょう。
◇白湯
一度沸騰させた白湯は、身体を冷やさないうえに、胃腸に負担がかからない優秀な飲み物なのです。熱いお湯は飲みにくいので、ぬるま湯くらいに冷まして飲むのがおすすめ。
◇麦茶
麦茶はノンカフェインで利尿作用もないので、お風呂上りにお茶を飲みたい方におすすめ。ミネラルも多く含まれています。
◇ハーブティー
ハーブティーも麦茶と同様にノンカフェインで利尿作用も低い飲み物です。カモミールやジャスミンはリラックス効果があるので、お風呂上りに最適ですね。
美容効果が高いビタミンCを補給したい方は、ローズヒップティーがおすすめです。ただし、こちらは利尿作用が高いので、飲みすぎないよう注意しましょう。
◇豆乳
女性ホルモンと似た働きをすることで知られる豆乳は、体力を補い、空腹感を満たす効果が期待できます。独特な風味が苦手な方は、野菜ジュースや甘酒と混ぜるのがおすすめ。
■お風呂上りに避けたい飲み物5選
お風呂上りに飲まない方がいい飲み物と、その理由について見ていきましょう。
◇ビールなどのアルコール類
お風呂上りのビールはとても美味しく感じるもので、1日の楽しみにしている方もいるはず。しかし、アルコール類には利尿作用があるため、水分が失われた状態でアルコール類を飲んでしまうと、さらに脱水が進んでしまいます。
また、交感神経を刺激して血圧が上昇するなど、身体に悪影響を及ぼすのでアルコールはNGです。
◇糖分を多く含むジュース
ビタミンを含むジュースを飲むと身体にいい気がしますが、実はたくさんの糖分が含まれています。乾いた身体にジュースを飲むと血糖値が上昇し、脱水が進みやすくなるので注意が必要です。
◇お茶
ビタミンCをはじめ健康効果が高い緑茶ですが、利尿作用が高いのでトイレが近くなってしまいます。また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインは、寝つきが悪くなるのでお風呂上りに適していません。
◇冷たい飲み物全般
飲み物の種類を問わず、冷たい飲み物を飲むと身体が冷えて血行が悪くなってしまいます。血行不良はさまざまな不調の要因になるうえに、水分が吸収されずに体内にとどまり、むくみになる可能性も。
一方、温かいものや常温のものを飲むと、内臓に負担がかからないため、免疫力UPや整腸効果、冷えを和らげ基礎代謝の向上などにつながります。お風呂上りは水分の吸収力が特に高いので、身体にいい飲み物を選びましょう。
◇フルーツ牛乳
フルーツ牛乳といえば、銭湯でよく飲まれている定番の飲み物です。しかし、冷蔵庫でしっかり冷やされているうえに、糖分が多いのでお風呂上りには適していません。どうしても牛乳を飲みたい場合は、温めると睡眠の質が上がるのでおすすめです。
■まとめ
お風呂上りは身体から約800mlもの水分が失われるため、水分補給が欠かせません。ただし、一度に800mlを飲む必要はなく、200ml程度をこまめに飲みましょう。
お風呂上りに適した飲み物は、ミネラルウォーターや白湯、炭酸水などの味のないもの、リラックス効果のあるハーブティーなどがおすすめ。避けた方がいい飲み物は、アルコール類や甘いジュース、利尿作用が高いお茶、カフェインが多いコーヒーなどです。
ただし、お風呂上りの水分補給で最も大切なことは、「冷たい飲み物はNG」ということです。温まった身体が冷えてしまうので、常温またはぬるい状態で飲むことがポイント。ミネラルウォーターや麦茶など、お風呂上りに適した飲み物でも、冷たくすると逆効果なので注意しましょう。