出産してから突然起こる抜け毛は、多くのママさんを悩ませる現象です。ごっそり抜けてしまう産後の抜け毛は、どのような原因で起き、ピークはいつまで続くのでしょうか?
本記事では、抜け毛が起きたあとの対策法を含め、産後の抜け毛で知っておきたいポイントを解説します。
INDEX
■産後抜け毛の原因とは?
産後の抜け毛は、ホルモンバランスやライフスタイルの変化などが原因です。それらの原因でなぜ抜け毛が起こるのか、そのメカニズムを解説します。
◇産後の抜け毛はホルモンバランスの乱れ!?
抜け毛に大きく関係するのは、女性ホルモンのバランスの変化です。女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、どちらも髪を健康にする役割を持ちます。
・エストロゲン…妊娠に備える、髪の成長を促す
・プロゲステロン…妊娠状態を維持する、髪の成長を促す、髪の寿命を延ばす
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増えるため、「抜けるはずの毛が抜けない状態に」なります。しかし、出産後は両方の女性ホルモンが激減するため、抜けるはずだった毛が一気に抜けてしまうのです。
また、産後の抜け毛は女性ホルモンに加え、毛が生え変わるヘアサイクル(毛周期)も関係しています。ヘアサイクルは、毛が生えて成長する「成長期」、毛の成長が止まる「退行期」、毛が抜けて新しい毛が生えるまでの「休止期」という3つの時期があります。つまり、妊娠中は成長期が続いている状態で、出産すると妊娠中に成長期や退行期だった毛が、一気に休止期となって抜け落ちるのです。
◇ホルモンバランス以外の原因とは?
妊娠中と出産後に生活スタイルが激変することも、抜け毛が起こる原因の1つです。
母体が完全に回復する間もなく育児や家事に追われ、睡眠不足や疲労、育児へのプレッシャーを感じるママも多いでしょう。疲れやストレスを感じると、ホルモンバランスの乱れや血流が悪くなります。頭皮の血流が悪いと髪に栄養が行き渡らなくなるので、結果的に産後の抜け毛を加速させてしまうのです。
■産後の抜け毛のピークはいつからいつまで?
産後の抜け毛は、いつ始まりいつ終わるのか、そしてピークの期間について紹介します。産後の抜け毛に悩んでいるママさんは、次の内容をチェックしましょう。
◇産後の抜け毛はいつから?
抜け毛が始まる時期は個人差があり、産後2~4ヶ月後に抜けることが多いようです。産後すぐに抜け毛が起きないのは、ヘアサイクルの進行とともに寿命を迎えた毛が徐々に抜け落ちるためです。また、2人目、3人目と出産した場合、抜け毛が始まる時期が遅くなるケースもあります。
◇どのくらいの期間抜け毛が続くの?
具体的な時期は個人差がありますが、早い人で7ヶ月ほど、最も多いのが1年、さらに長いと1年半ほど続きます。
産後から1年も抜け毛が続くのは、ホルモンバランスが整わないことと、赤ちゃんへの授乳が落ち着つくまでに1年ほどかかるためです。1歳になる頃には授乳が終わり、生活リズムが整い始めるため、抜け毛の症状も自然と落ち着くのです。
◇抜け毛のピークについて
産後の抜け毛がピークとなる時期は、産後2~6ヶ月頃が多いといわれています。抜け毛が始まってすぐにピークになる人と、始まりから終わりまでの中間でピークになる人と個人差があります。ピーク時期の長さも人それぞれで、抜け毛が落ち着いたことでピークを過ぎたと分かるようです。
■産後に実践したい3つの抜け毛対策
産後の抜け毛は、時期を過ぎれば自然に症状が落ち着きます。しかし、新しい毛が生えるまで1年はかかるので、抜け毛をなるべく早く落ち着かせるために、以下の対策を実践しましょう。
◇髪への負担が少ない髪型にする
長い髪を束ねる、パーマをかけるといった髪型は、髪や頭皮に負担がかかり、産後の抜け毛に悪影響を及ぼします。産後の抜け毛がひどいときは、髪に負担をかけない髪型に変えましょう。
たとえば、髪を結ばないショートやボブに変える、生え際に抜け毛がある場合は前髪を厚めに作るなど、抜け毛をカバーする方法はいくつもあります。髪型を変えるまで手が回らない場合は、帽子を着用するのもおすすめです。
◇規則正しい食生活
抜け毛を抑えるためには、発毛を促す規則正しい食生活が重要なポイントです。育児は赤ちゃん優先になり、自分ことはつい後回しになりがちですが、忙しくてもバランスの取れた食事を取ることを心がけましょう。
髪の成長を促すには、髪を作るタンパク質を積極的に取ることが大切です。肉や魚、大豆や卵など、良質なタンパク質を含む食品を毎日の食事に取り入れましょう。
◇疲労回復に努める
睡眠を取って疲労を回復し、心身ともに健康であることが抜け毛の一番のケア方法です。赤ちゃんの首も座り、生活に少し余裕ができる生後4ヶ月頃は、生活習慣を見直す絶好のタイミングです。家族に育児を任せるなどして、睡眠時間の確保と疲労回復、ストレス軽減に努めましょう。
しかし、抜け毛がどうしても気になる場合、その不安がかえってストレスになります。ストレスは産後の抜け毛を加速させるだけでなく、円形脱毛症が起こるケースも少なくありません。1人で悩むのではなく、医師に相談することでストレスを減らしましょう。
■まとめ
産後の抜け毛は、妊娠から産後にかけてのホルモンバランスとヘアサイクルの乱れ、睡眠時間やストレスなどが引き金になります。始まる時期、ピーク時期、落ち着く時期など、産後の抜け毛は個人差が大きいのが特徴です。
また、産後の抜け毛を防止するのは難しいため、新しい毛が生えやすくなる対策を実践しましょう。髪に負担をかけない髪型や、心身ともに健康でいるための睡眠時間の確保、ストレス軽減に努めることが大切です。育児を周囲の人に協力してもらうことや、不安が大きい場合は1人で悩まずに医師に相談しましょう。